「えぇ満塁ホームラン、すごいわぁ。さすが豪打の敦賀気比やねぇ。初回5点かぁ」朝の8時から並んで席を取ってくださった元高校球児と、夏の甲子園準決勝戦を楽しんだ。
「満塁ホームランのあと、ちょっと手抜いてもたね」この予感が的中するのである。ちいさな球場ではない、広い甲子園でのホームラン。そして5点も入れば、これはいけると普通
はおもう。1塁側の大阪桐蔭を応援しにきた人たちも元気なさそうにしている。
それが1回裏の大阪桐蔭の攻撃。いきなり先頭打者がホームラン。これでしょんぼりしていた人たちが活気づいた。まぁ5点差なんて、まだ9回も攻撃できるのだから1回1点でも逆転である。
「逃げるより、追いかける方が強いんやで」雨の降りしきる中、やんやの応援。すごいものを観ているようで、こちらも鳥肌がたってしまう。
「今年は北陸、東北勢が強いねぇ。ぜひ優勝旗を持たせてやりたいねぇ」そうなのである。準決勝第一試合は新潟の日本文理と三重の対決で三重に軍配が。
そして第二試合は大阪と福井。どうしても大阪桐蔭と聴けば、阪神タイガースの西岡剛選手や藤波投手、岩田投手、西武の中村剛也選手、浅村栄斗選手、日本ハムの中田翔選手とそうそうたるメンバーで、これでプロ1チームできそうなくらいのすごいメンバー。判官びいきの野球好きとしては、福井敦賀気比を応援したい。まぁ敦賀気比も巨人のエース内海哲也投手や広島カープに東出輝裕選手というすばらしい選手がいるが。
「いやぁ、僕のお客さんに敦賀気比の米満くんのお母さんがいて。控え選手やねんけどね。だから周りの人みんな敦賀気比を応援してる」と大阪堺の友人は言う。みじかな人がこうして甲子園のグランドに立っている、その姿観るだけでも泣けてくるもんです。
8回裏の守備から登場した米満凪くん、9回に打席がまわってきた。
「いやぁどきどきするなぁ」と元高校球児の友人は言う。まるで自分が打席に立っているような感覚だと。「甲子園出られなかったけど、縁ある人がこうして甲子園のグランドにいる、それだけで満足やわ」
引っぱった、一塁手横を抜けるクリーンヒット。「なかなかこの状況で打てるもんとちゃう、すごい。観ました、みました」とボクの肩をどんどん叩く。ボールやないんやさかい。敦賀気比は試合には負けたが、ほんま最後まで諦めない姿は、すごかった。どちらも。2014.8.24記。スキマスイッチ「スフィアの羽根」を聴きながら@夏の甲子園準決勝戦
|