MAZDAのロードスターが登場するからと紹介された『朝霧の巫女』宇河弘樹著というマンガを読んだ。三次が舞台だ、確かにマツダのサーキット場がある、あれっと想った。あぁ知っているこの話し。たしか戦艦大和がでてきて、それ宇宙戦艦ヤマト。目玉親爺、そうだ水木しげるさんのマンガにでてくる妖怪も。楠木正成の物語は神戸では知らない人はいない。なんで知ってる絵がつぎつぎ出てくるのか、不思議なのだ。
ボクは子どものころ、お墓のある三次(みよし)に行くと必ずプラモデルを買ってもらった。戦艦の模型を作り江の川で流していたのだ。夜、鵜飼のあかりに、あぁなんて川はおそろしくもあり、きれいなのだと。自分が川で遊んでいるうちに川の凪がれに飲み込まれて逝った軍艦のことなど忘れてしまいながら。そして大蛇のおろち舞を観て、夜うなされた。
「とうちゃん、お墓参りはちどりに乗って行こう」と子どもが言う。なにそれ?「大阪の交通科学博物館にあるような国鉄色で急行列車が走るんや」ほなぁそうしょ。「とうちゃん切符取られへんかった」とうなだれて帰って来た。「団体で予約が入ってるみたいや。広島から乗る人が多いから、また明日予約しに来たらって駅員さんが教えてくれた。明日も行ってみる」
「とれたで、みよしからちどり乗れる」って嬉しそうに。なつかしいなぁ、あの電車乗って三次行ったもんなぁ。でもなんで三次に海もないのに「ちどり」って名前なん?まさか三次の雲海をゆらぐ鳥、ええなぁ。「松江城の別名、千鳥城から名付けたと鉄本には書いてある」えぇ、広島から松江まで急行走ってたん。今も走れば便利やのになぁ。
ちどり号三次計画では、江津で土曜日宿泊し、三江線で日曜日三次へ行くつもりだった。 しかし8月24日の大雨で井原川橋梁の橋が1本が流失、鉄橋が宙づりの状態になり不通。旅の計画を変更、大切なつれあいと出逢えさせてくださった北海道の宿主さん、そのご夫婦が出逢ったMGユースさん経由で三次へ。
「不思議なんよぉ、なんで電車が着いただけで町あげてのおおさわぎなん」そやなぁ、ちょうどええ町の大きさってあるよなぁ、三次くらいの。山で出逢ったときみたいに挨拶してくれる町ってあるやろ、そんな町がえぇなぁ。それに高校球児やオリンピック選手が町から出れば横断幕かかげ応援するような町がええなぁ。ドライになりすぎて挨拶もしない、知らぬ 顔は不可解、人間も空気のように霧のなかへと融解していく。それが妖怪の姿かなぁ。
子どもの頃に聴いた「よぉきんさった」という広島弁のイントネーションが気を楽にしてくれる。「今年は二回ともお墓参りは雨やったなぁ」爺ちゃんばーちゃんや戦艦大和のおじちゃんは「雨のなかよぉきんさった」と言うてるで。浜田真理子「安来節」@『Mariko
Live -こころうた』を聴きながら2013.9.1@三次駅
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