「めずらしいねぇ、美術館で写
真撮れるの」「スマホで撮ってそれをブログで紹介すると、同じような仲間の人に情報が瞬時に渡るから、広報宣伝がボランティアでやられているようなものです。いやぁ今はスマホが天下の宝刀みたいなもんです(笑)」と社長らしき年配者に30代の人が答えている。日本刀の展示会、備前長船刀剣博物館を訪ねた。
「すごいで、これ。どうやって造ったんや」と言ってる人がいる。凛とした日本刀と世界の美術・MANGAとのコラボレーション。ぶったまげた、かっこよすぎる。そしてセクシャルなのだ。こんなの忍者好きな外国人にみせたら、飛び上がりそうだ。マンガの世界の刀剣を、匠のわざでほんとうに長船で創ってしまったのだから。これぞ現代アートだろう、これぞJAPAN
COOL.
人に正しく認知してもらうには、どうすればいいか。そんなもの今の時代簡単なことなのだろう。ひと昔前まではプレス公開日なんて、その展示会が開かれる前にマスコミがただで招待されて、記事を書く。営利企業マスコミが後援をしていない展示会なんて紹介すらされない。いまや日本映画だってそうだ。これが今ではうそくさい澱みを生んでいる。
その美術展に興味を持つであろうマニアの人たちに前もって公開をして、HPなりブログなりで紹介をしてもらえばいいことだろう。また本当の意味での文化ジャーナリストがいて「この展示会は観なくては」と言ってくれればええんやけど、お金を払って観る立場としては。
これを観たいなぁ、と思ったときにインターネット上でなにを読むか、なにを基準にするか。確かに公式ホームページは、アクセスや休みや営業時間をみるには必要だが、たいせつな中身の方は、個人が書いているHPなりブログなりで判断している。このとき重要視されるのは写
真。映る雰囲気である程度わかる。
現場の写真を観て「あぁこんなん観てみたい」。いっちょ次の休みの日に行ってみるか。と子どもと私などは言っている。
なのにである、『写真撮影お断り』の看板をいたるところで見かけるのはどういう意味なのか? 悪意を持った写
真を使い、事実とは違うコメントをつけて公開すればこれも犯罪だろうし、複写
したモノを本物のようにみせかけて無知な人に売る行為は確かに犯罪だ。正しいことをしていれば、写
真を撮られてもはずかしくはないだろう。
しかし、自分が楽しんだ風景や人物を写真に撮る、おもいでとして。それにコメントをつけてインターネット上で公開する。それに賛同したひとが、自分もそこに行きたい、観たいと素直におもう。それが本来のブームにつながるんとちゃう。芸術品や美術品は、ある一定の人たちだけの為に存在するのではないんとちゃうやろか。
また美術館や博物館はそこで働く人のくいぶちのために存在している所もある。本来は、それを観て楽しむ地域の人たちのためにある。ハード・立派な美術館はあっても、ソフト・そこで楽しむ人はいない。市民が誰も観に来ないのに市立美術館なんて、堂々と名のっている場所がある。不思議なんだなぁ。五木ひろし「セクシャルバイオレットNo.
1」〜『BLUSE』を聴きながら。2013年9月15日@備前長船刀剣博物館『二次元vs日本刀展』現代十番勝負
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