もともとは、人間だったコンピュータ。こんなことを言うとふしぎがる人も居るかもしれないが、17世紀計算を行う機械式装置などない時代、貸付や預金を記録した人のことをさしてコンピュータと銀行業界では言ったらしい。
そしてコンピュータという言語が、機械式装置を表す言葉として使われ始めたのは1897年で、今で言うデジタルコンピュータをコンピュータと言って使われだしたのは1940年代のころとオックスフォード英語辞典にはある。人間からはじまったコンピュータは、計算機と今では呼べるような大型の機械、そしてパソコンへの言葉とともに変遷していった。
私たちはいまではコンピュータでなんでも計算処理できるとおもっている。しかし今のデジタルコンピュータ精密機器が生まれる以前に、1936年にアラン・チューリングAlan
Mathison Turing博士によって計算の形式的モデルが作り出された。彼は計算式を作り出し人工知能の父と呼ばれている。デジタルコンピュータ機器も、そして動かすプログラムコードも人間の脳の分身。
そして人間の脳をチューリングテストと呼ばれる方法で、脳をモデル化できるか考察した。これは例えばメールをやりとりしている相手がコンピュータか人間か? 本当の人間を欺くことができればチューリングテストをパスしたコンピュータプログラムということだ。膨大な量の実験をおこないデータを収集して、それを整理する作業、ゴールはないが、どこかである一定の結果は出てくる。
このチューリング博士の研究は、研究とはまったく関係のない不条理で、イギリスの法廷で同性愛者ということで有罪判決を受け、それが原因で毒入りリンゴを食べ自らの命を断ってしまい、偉大なる研究は幕が突然ひかれてしまった。この件に対して21世紀、イギリス政府はのちに謝罪する結果となる。
かじられたリンゴがデジタルコンピュータ機器にマークされている。このすばらしいリンゴの機器を観たとき、彼はきっと微笑むんだろうなぁ。
「あなたにぴったりな? こんな商品なんていらんでぇ」とウエッブ嬢が勧める、これ買え商品。「ほんまかぁ?」これを購入した人はこんな商品も買ってます、がほんとにあなたにピッタリであれば、機械が勝手にあなたに代わり思考し選んだ商品となる。本当に人間を機械が欺くことが出来たチューリングテストをパスした、となる。
計算の正解が、本当にあなたのための商品なら、その商品を購入し、それを使って楽しい気分になれるのだろう。これこそが、どこの国の人も思い描いているデジタルの世界なのではないのだろうか。最短の計算式があれば、どんなことでも効率よくでき、そしてお金を稼ぐための仕事の時間を減らし、子どもと一緒の時間を増やせる。本来コンピュータやシステムとやらは、人間が幸せになるために使われる道具でしかない。
しかしメールソフトを立ち上げれ、時間の浪費としかおもわれないようなメールを開きもせずに、ゴミ箱送りにする作業時間。これを機械が勝手にしてくれたらありがたい、と考えだされたのが「迷惑メール」処理なるものだが、結局は本人のチェックが必要。300通を超えるメールのご応募ありがとうございます、が私をしあわせにしてくれるメールは一通しかorもandこれこそ全て、ありませんでした。
その小さくもなく つつじのように はでもなく ただみつば
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