人はつい最近のことしかおぼえていない。それは当たり前だのクラッカー。このコンピュータのように、時系列で物事を覚えることが苦手ないのだ、だからコンピュータは上手く使えば百人力なんだ。データを蓄積し、活かすことにたけているのがコンピュータなのだから。歴史なんて彼にまかせとけばええのです、今を生きるボクらにとっては、そのデータを使って今をよい時代にせんとあかんのです。
子どもとなにして遊んだか、その時代に何をしたかを、書きとめるためにこうしてサーバーに蓄積している。その時の歳時とともに。ボクを知る人に観てもらえば、近況報告になると子どもが生まれた年からはじめた。それを観ながら「ちいちゃい時はよかったなぁ」とボクもおもわず言ってしまう。
その度ごとに、息子はイヤァな顔をする。ほんまは今の時代の方がええに決まってる。赤ちゃんの時「この子は育っていません」と医者に言われた息子よ、よくぞ、育ってくれたと。あの時は「なんでやぁ」と医者を怨んだ。よく人は「むかしはよかった」という。そうやろか? とボクはおもう。団塊の世代が好き勝手してきた今の日本、ほんまにこれでよかった。それを考えなぁあかんのとちゃう。団塊の世代の時代が終焉した今の方がええんとちゃうやろか。
甲子園歴史館に行った。プロ野球タイガースや春夏高校野球の歩みなどを紹介する展示が主だ。所蔵品は約2千点に及ぶというスゴい展示物である。甲子園の歴史であるからして、つい最近の戦争をはさんでの86年の歴史だ。それでも、充分すぎるくらい歴史を感じた。「女の子のマンガみたいやなぁ」と息子が言ったのが『タッチ』あだち充 著である。甲子園を舞台にしたマンガの展示もある。今やマンガも読書で、女の子が野球をする時代なのだ。それが次の時代なのだ、それでいいのだ。坂本龍馬の時代は茶室で男が茶したが、今では女に牛耳られている茶の世界。すぐに逆転するのだ。
わが息子は赤星憲広選手のコーナーにくぎづけになっていた。昨日のことはもう歴史なのだ。そして、人は歴史というと自分の生きた時代しか興味ないのが悲しいかな事実なのだと確信した日でもあった。甲子園連勝記録ばく進中の息子、この日も横浜に快勝で首位
奪還。今年甲子園5連勝。「これで優勝やでぇ」勝負の世界の厳しさをまだ知らない息子。2010.7.27
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