「でけて来たなぁ」 「はよ囲いめいでもらえんのかな」
「にいちゃんら、どっから見物にきたん」 「須磨から」
「囲いじゃまやろ」 「まだあそこで工事やっとぉなぁ」
「鉄人背番号6番やったら、わらうなぁ。どっちがつおい?」
「ええ勝負や」 「でも金本選手5人分やで」「そっかぁ」
「ユンボが鉄人と比べてちぃっちゃいからかわいいなぁ」
小学生のわが子とこの春から「鉄人6番、観にいこ!」と新長田へ「KOBE鉄人プロジェクト」を観に行くのが楽しみになりました。子どもにとっては「鉄人」は阪神タイガースの金本知憲選手で鉄人28號とはなかなかむすびつきません。ですから「ガォー」のポーズですから「ガォーさんです」。観ていると人なつっこいロコに声かけられます。神戸の下町が長田です。敵にも味方にもなる鉄人28号は、ええ顔してます。単に操る人間のよし悪しでどうにでもなるロボットやのに、かえって人間的な顔つきになっているのがよろし。勧善懲悪ではないのです、ええもんのロボットではない鉄人28号。またカラーリングが、これでもかっていうコテコテの派手色でないのがまたええんです。東京人や大阪人はこうはいきません、看板ひとつ観てもらってもセンスちゅうもんが関西では異なる文化なんですね。不思議です。
長田鉄人プロジェクトの28号、鉄人を覆っていた囲いはこの10月初旬ではずされ完成披露パーティーもあったのに、まだ工事中。公園整備だそうです。このへんが関西的ですが。まわりはまだユンボが活躍中の囲いがある。関西人はみな関西弁やと、東京の方はおもてはるかもしれませんが、神戸はちょとちゃいます。長田のロコと話すのもおもろいかも。ちなみに長田弁というロコ語もあります。ソバめしは、ついこないだまでこのへんのロコ語でしたが、全国区になりました。えびすの寿司にレーメンも長田名物。めっちゃ甘ミーコとかは長田区と兵庫区でしか味わえません。南島航路があったので港町神戸は奄美、沖縄の人も多く住んでます。ながたの「琉球ワールド」へ行くと南国気分で、ここでオリオンビールと紅いもチップス
買ってガォーさんみながらガォーです。
喋るとその土地のもんやったらすぐわかるのが関西人です。 大阪人と神戸人の違いは、「めぐ」というのは大阪の人はわかりません。神戸から西の地方で「壊す」という意味です。ちなみに長田弁なる、言葉というか、しゃべり方もあります。
「なにしとぉ」「ユンボ、KOBELCOにかわってるでぇ」
「え、こないだ来たときとおんなじちゃううん?まぁ神戸やん、コベルコでええんちゃうん」機械好きな子どもはユンボメーカーまでめでております。「コベルコって神戸のメーカーやからKOBELCOって名前なんやで」と教えたら、自分のユンボのミニカーにマジックでKOBELCOと書いてます。ほんま子どもっておもろいです。これは地域愛なのか、ユンボ愛なのか?ちなみにユンボとは昔は黄色かった油圧ショベルのことで、一部の男の子に大人気です。
鉄人28号の高さ約15.3m、伸ばすと18mだそうですが、リモコンがありませんから伸びません。だれか金田正太郎くんからリモコン借りてきてください。ウエスト周り約20mですこしメタボの流行体型、重さは約50t。はんぱなくデカイです、圧倒します、夜観ると「怖い」と子どもが言いました。「ビルの町にガォーさんが来た」と、確かにベビーカーの子どもは観て泣いていたのが印象的でした。「そのガォーとはちゃうちゃう。探偵ナイトスクープの見過ぎですね」それほどのインパクトです、ぜひあなたのその目でお確かめあれ。
2009年10月17日記
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