「ほ、ほ、ほたる来い」とうたえば、はたして人がやって来てくれるだろうか。「こっちの水はあぁまいぞ」神戸で買いましょう商品券を春に買った。落ち込んだ消費を、なんとかしようと考えた1割増しのおトク商品券!?今インターネットや大規模資本イコール東京に、みんながお金を落としている事態。プロセスカット便利さだけで、今の人はショッピンぐ〜してしまう。地元にお金を落としましょう、それを遅まきながら各地で大宣伝しているのだけれど。規模がちがう行政区分ではどうなんだろう?と思ってしまう。
と言うのも以前の歳時記で「徳島と垂水が大渋滞で繋がった」と書いたら、ある方から徳島と神戸・明石?ちゃうんと。徳島市の人口約26万人、垂水区の人口約22万人、神戸市154万人。私は同じ規模のもの同士は比較や並列表記する意味があると思っている。それからいうと徳島と神戸では私の感覚に合わないということで徳島、垂水としたのだと説明したら、その方はおおいに納得された。
商品券にしても20万人規模の町で実施する商品券と153万人もいる町で実施する商品券では、その効果が大きく違う気がしてしかたないのだ。神戸市民は神戸というくくりで、なんでも考えているが、ほんとは自分の住む町みじかな区とその両隣で生活圏を考えた方がホンマはええんとちゃうやろか、と思う。人にはちょうどいいくらいの大きさやそこに愛着を感じられる範囲があると思う。無理矢理、国に対して愛着を感じられない人なんて言う人が居る。そんなもん当たり前やん。国なんておおげさなもんに責任や愛着持てる人間がどれだけおるの?自分の子どもの小学校単位くらいやん、そこに行ってる子どもに対しては責任あるなぁ、いち親としての、って。
さて神戸の商店で買い物できる券を買った時に応募した「新長田JOYプラザ商店街」独自のプレゼント、ほたるツアーに当選した。何年も前からたくさんのほたるを観たいという息子、しかしほたるは夜しか観れない。ほたる乱舞するところへ行くにも足がない。いくら自転車好きといっても夜の親子ツーイングは辛い。それにほたるがいつ飛ぶかなんて地元民しかわからない。そんなところへふって湧いた、すばらしい企画。しかもタダで行けてしまう。当選を親子で乱舞した。
場所は兵庫県のど真ん中にある神河町。県で人口の一番少ない町で1万3千人が住む町だ。すすきの大群生地・砥峰高原がある。たぶんすすきの方が人口より多いのだろう。村上春樹さんの長編小説『ノルウェイの森』の映画化がここ砥峰高原で撮影されている。ほたるツアーはこの砥峰高原をめざして昼出発。3時に到着、標高800から900mの高原を親子で駆け回り満喫。すり鉢のような高原におもしろい樹がありみどりが眩しい。そして風のかほりがして、すっうっと風が通
りぬける高原だった。 草のかほりも癒しになる。
ほたるが出てくる時間まで、まずは腹ごしらえ。山から町というより谷に降りて、こいのぼりが大空を遊泳しているグリーンエコー笠形へ。5月末でしまうはずのこいのぼりを、このツアー一行のために町が残しておいて下さったという。田舎はこころねがやさしいのだ。
腹はたてずに腹ふくらますのが大好きな親子が好きな言葉「食べ放題バーベキュー」。なんと町長さんが地元の名産ゆずで作ったジュースとビールを差し入れてくださった、ありがたい事です。ゆずジュースがホントうまい。飲んで食べて親子で満腹、もう歩けない状態。地元の方に親切にされ、ふところを心配しなくてもいい旅なんて、これって幸せ度は高いです。
「とうちゃん歩くのしんどい」 がーぁんほたる観るのに満ぷく腹で歩かんといかん。これはいかん、と園内にあるフィールドアスレチックでおなかべらし。「いなかに来ていただいてありがとうございます」とこれだけ至れり尽くせりしてもらったら、お土産ひとつも買ってかえらなぁいかんでと息子に言い聞かせて、ゆず羊羹、ゆずマーマレード、ゆず七味とゆず製品をお土産に。ほたるグッズがなかったのが、ちょっと残念。ゆずソフトクリームもデザートに、腹一杯でもべっちょない。
やっと空がぐんじょう色になった7時すぎ、おめあてのほたるの乱舞する犬見川へ町の方がクルマで案内してくださる。
「飛んでるで飛んでる」「きれいなぁ」「ほたる、なんでひかるんやろ、なんでひかってるのに温かないのやろ」とつかまえたほたるを見る息子。そうなのだ、ほたるの光は熱をともなわないのだ。これ人工的にできればすごいんとちゃうぅん。「ちょっと寒いんかなぁ」と近所のおっちゃん。ほたるはなま暖かい日にたくさん飛ぶと言う。川を1時間かけて散歩したが、いたるところで輝いてる。ふぅわぁっと飛ぶほのかなあかりがええ。そして観ている側にひかりが無い暗さなら、こちらに向かって飛んでくる。「ええもんみせてもろたなぁ」「うん、はらへった」。
ジョイプラザさんにも買いもんに行こ。 兵庫のまんなかでキラリとホタルがひかる神河町と新長田ジョイプラザさんに感謝の一日でした。2009年6月9日記
|