(C)Copyright Mac Fukuda2009





 興味本位でとりあげるマスコミがおじいさんおばあさん向けに「ですえじゅけーしょん」なんて言う。単なる言葉のニュアンスをゆるやかにするため、まぁそれも医療の現場などでは必要だと思う。「死の準備教育」のことをDeathEducationと言う。それは重大な怪がや病気で、死と向き合いながら闘病生活を送る子どもたちへの心の平安をもたらす準備教育や、リストカットしてしまう生きることへの意義を喪失しそうな子どもたちへの自分の生き方を問う教育。

 「鉄砲でうつぞ」「死ね」「殺すぞ」簡単にそういう言葉を言う子どもという表現をするが、なにも子どもだけではない。あるマスコミ人は私に対しその言葉を発して、平気な顔している。殺すゲームやドラマを作っているのは大人たちで、死の衝撃を売り物にすることによって金を得て自分の子どもを育て社会を形成しているのだ。こんな社会をつくりだしたのは自分たちだという認識のないこのような大人たちがいちばん厄介だ。力による押さえつけ、これをしては大人げないとむかしは言われた。 「弱いものを助けましょう」道徳の時間に教えられ、日曜学校で牧師や坊主からそう教えていただいた当たり前だの世界なのだ。当たり前の世界が下に追いやられ、修羅な世界が大手を振って歩いているやくざな世界が現代なのだ。

 しかし私たちは「勝ち組」という言葉を作り出し、弱い者は死ねといわんばかりの風潮である。そんな中で、学歴という競争をつづける子どもたちにとっては、大人の社会をまねすることで、ストレスを発散させる。それがKYな奴をやる!つまりイジメだ。子どもから言わせれば「大人は社会でイジメてるじゃないか」「全員健康保険制度なんて、うそじゃん?」「大きな会社は厚生保険に厚生年金、だけどうちとこ高い国民保険にすずめの涙年金、あの子は無保険なんもなし」あげくの果 てに自己責任なんて言葉をつくりだして、子どもに対する責任さえ放棄してしまったこの大人たちに責任がある。ひとりの人間、そのカラダの中で完結してしまう原因と結果 、自己責任なんて頭のあほうな方がいう言葉だと、考えないからわからない。

 若い年齢でガンになり、若さゆえに進行が早く、そして。目に留まらないだけで、そんな風景はみじかに実は存在する。それを自己責任という人なんていない。ひとりだけのものではない、まわりの人たちはすこしでも荷を軽くしようと考えるのがまっとうな集団だ。それが今はやり言葉で言うと本当の「いやし」である。同じ問題を分ちあい、それぞれ人は考え、そして行動するのだ。それが生きようとする方への敬意だと。

 「人称別の死」「予測できない死」「予測できる死イコール避けられない死」「避けられるかもしれない死」「避けられる死」。死への教育を実践する関西学院教師・古田晴彦さんのデス・エデュケーションへのテキストの章題だ。いちばん思い描きにくいのが「人称別 の死」だろう。1-1三人称の死は「死」のポルノ化。1-2一人称の死は死の疑似体験。1-3二人称の死は人を殺したいと思ったこと、ありますか?。1-42.5人称の死、医療、看護職の人へ。

 なんでふたり半なんだ?と不思議だが「2.5人称の死」。これは柳田邦男さんが提唱している言葉だそうで、例えば末期がんで死に向き合う患者に対して、専門家である医師看護師が「乾いた三人称の視点ではなく、2.5人称の視点を持つようにこころがける」と。学校で子どもたちに「死」から、生きる事をさいごまでどう大切に生き抜くか、生き方を問い直す教科書だけれど、読んでいて納得する。わたしたちも想像力豊かな2.5人称の視点を持ちたいと願う。
2009年6月15日記



『Death Education デス・エデュケーション展開ノート』
古田晴彦著  清水書院 2009年刊 千円
ISBNコード 978-4-389-43052-8
C1037\1000E
書店からの取り寄せとなります。
他著書に『「生と死の教育」の実践』清水書院2002年刊がある。




子どもとともに良き日に。歳時記


赤星憲広選手、感動をありがとう☆GO!GO!53!|200912.9

あったかい家につつまれた島の子@家島 兵庫姫路|2009.11.29

親子サイクリング2@秋の京都 嵯峨野|200911.23

須磨浜地引き網漁で大漁だ!@SUMAHAMA KOBE|200911.21

家島コンシェルジュツアーieshima|2009.11.14-15

JT将棋日本シリーズ谷川浩司九段勝利@大阪|200910.31

ガォーさんが、鉄人背番号28番@新長田 KOBE| 200910.17

鉄道大好き、幸せは友が運んできてくれた@大阪天王寺|200910.10

親子でちび電、レトロな昭和の情景@四日市近鉄ナローゲージ三重|20099.5

鬼はほんとは情があり、やさしい。@鬼ヶ島・女木島 高松|20098.14

田窪恭治さんが描いた椿の絵@こんぴらさん白書院にて香川|20098.13

たまたま、それは偶有性のなか誰にも起こりうる事@広島MAZDAスタジアム|20098.9

子どものころ好きだった0系新幹線@川崎ワールドKOBE|20097.30

神戸の夏は山ゆき、海いき@SUMAHAMA KOBE|20097.18

ウィスキーがお好きでしょ。そして神戸@Arthu De Rimbaud KOBE|20097.1

『デス・エデュケーション展開ノート』古田晴彦著@KG|20096.15

ほ、ほ、ほたる来い@兵庫神河町|20096.9

親子サイクリング、桂川サイクリング道路@嵐山 京都| 20095.10

こどもの日、人生の半分は夜景。お山にて@摩耶山 KOBE|20095.8

春らんまん、残る桜も散る桜@世界遺産国宝 姫路城桜|20094春

街をPRするのに強烈な方法、終点がその街@阪神三宮〜近鉄奈良|20093.20

春は梅、そしてカップル?!@岡本保久倉山KOBE|20092初春

ボクのたからもの@長浜海洋堂 滋賀|20092.9

春には天に登る竜@神戸南京町春節祭2009|20092.4

ホームページ最初へ戻る

本ホームページに掲載の文章・画像・写 真等すべてのコンテンツの
無断複写・転載を禁じます。ご感想などはメールにて。2013年8月13日 変更
©Mac Fukuda1997