甲子園へ県代表として出場する野球部員と一緒に、三角ベースをやって遊べるのが野球の楽しさだとおもう。これが団体競技と個人競技の差なのだろう。野球選手は、彼ひとりだけで生きているわけでない。まわりの集団のなかで、活かされている。時々自分ひとりで生きていると勘違いしてしまうのが、わたしたち凡人だけれど。
プロ野球人で、よくそこを解っているなぁとおもう選手がいる。赤星憲広選手だ。でしゃばらず、えらそうにせず、自分の立ちいちを理解し、ファンに対してもまじめだなぁと思ってしまう。
始球式の子どもの球に真剣になってくらいつく赤星選手を観て、感動してしまったこともある。
野球ファンの子どもは、知らずと野球ファンになる。息子は、2歳の時から親父とおなじ赤星選手のファン。「走る姿がカッコイイ」そうだ。「ぼくもベースランニングしたい」と3歳で地元スカイマークスタジアムであるベースランニング企画に、タイガースの帽子をかぶり喜んで参加していた。オリックスの試合なんだけど、と親は恐縮。
墓参りの後いく広島市民球場で、カープの帽子になぜだか赤星のリストバンドの野球少年と息子はふたりして外野フェンスから「あかほし〜」と叫んでいた。「カープファンなのに、なんで赤星選手がええん?」と野球少年に聞くと「ぼくも少年野球でカッコよく赤星選手みたいに走りたい」と。
男の本質は「カッコ善さ」である。なんぼお金のためといってもカッコ悪いことはしたくない、と思う男がかっこええんである。桂三枝さんの落語のまくらで「今日赤星選手が引退を発表しました」と。それを聞いた息子は「えぇ」と座席でがっくり。
その後、三枝さんのおもろい創作落語もうわのそら。 寄席からの帰り道、「三枝さんのウソちゃうん」「でもなぁ、後半戦赤星選手出てないやん。よっぽどカラダ痛いんやでぇ」「なんでや、もっと活躍できるし、、、」「そう一番おもてるのは赤星選手やでぇ。」息子にも男の美学みたいなもんを赤星選手から学んで★いなぁと。
「赤星ラーメンもう食べられへんのかぁ」
「とうちゃんは三枝さんのスキヤキのほうがええなぁ」
赤星憲広選手、いままでありがとう。これからも、かっこええ赤星選手を息子と応援していきます!
2009年12月9日、盗塁数と同じ車イスを贈るセレモニーで現役引退発表。12月10日記
|