sumahama。子どものころから親しんでいる海ではあるが、そこで釣れる魚は10センチくらいのキスやテンコチ。そこで地引き網漁を体験できるという。そのsumahamaで地引き網が引けるとあって、子どもは大喜びで参加した。
「大漁やったらええなぁ」「鯛にひらめにたこに」そんな子どもの声を聞きながら、親御さんたちはたぶん「こんな目の前の海でそんなに魚がいるわけがない」「たぶん獲れないかも」なんて思いながらみつめていたと思う。その日限りのイベントではあるが、半信半疑で参加したのだった。
夏は海水浴場になる浜から50mくらい先に網を落とし、それを引っぱり揚げる。それも早く、と言うのは早く引かないと魚はバカではない、逃げるのである。「まぁ逃げるほど、獲れへんのやし」と思いながら重いなぁと引いていた。
ところが、である。まず煮干くらいの小魚が、たくさん揚がってきた。それを小さな手で獲る子どもたち。重くて当たり前、ちょうどマイワシの群れに地引き網が、一網打尽。地引き網は引いている網に魚がピチピチあがるわけではなくて、ポケットみたいな網の中に地引き網で泳ぐ所を狭められた魚が入っていく。「すごい、すごい」「大漁や」そのなかにはチヌがごろごろ、たこ、いか、穴子、でんすけ、すずき、ガシラなどが獲れている。子どもたちは大喜び。
子どもが言うとおり、鯛にたこに。すぐそこの海にこれだけの魚がいるものかと。豊かな海の幸に正直驚いた。食育を考える会なので、この魚をこの後子どもたちが調理した。そのまえに魚の専門家が、瀬戸内の魚を説明してくださる。息子は大喜び。自分の食べる魚も目の前の海にいる。それを皮膚感覚で知るだけでもすばらしい。そして魚を調理する。「チヌの骨って堅いなぁ。なかなか頭さばけへん」と言いながら奮闘している。
なんでも体験できることは大切だ。その経験が子どもの将来に活かされる。でもそれには参加できるこんなステキな企画がなければ。地引き網体験して、獲った魚を子どもが自分でさばいて、それを食べる。アイディアが勝負だ、だけどそのソフトを持つ人が活かされていないのが今の世か。キャリア教育なんて言葉だけが子どもの周りでおどるが、子どもを大切にできるのは地域の力しかないかもしれない。地域の子どもを地域の力で育てる。そんな考え方をみんながしていけばとおもう。漁師のみなさんをはじめ、お世話になった方々へ感謝です。ありがとうございました。2009年11月21日
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