(C)Copyright Mac Fukuda2011 





「爺ちゃんずっと船乗りなんやろぅ。船怖くないのかなぁ」なんで?「沈没するし、台風でも海の上やろ、鉄砲で撃たれたって言ってたし」そやなぁ、南方戦線で船を沈められて命からがら助かってんもんなぁ。こんど聞いてみたら。「戦艦乗ったら、じーちゃん喜ぶかなぁ」そら喜ぶで。


  親父は戦争で、船を二度沈没させられた。そして中国漁船に助けられた。「船乗りはどんな時でも、溺れている人を助ける」とその基本を親父からおそわった。戦後も船乗りだったが、乗船していたタンカーが海賊や湾岸戦争で砲撃されたりもした。そんな会話が家族の中でふつうに喋られ、また砲撃をうけたタンカーを観たときは驚いた。だから安全なんて、海にこぎだせば無いと子ども心におもっていた。


「おじいちゃん、しんどいから行かへん、って。ボクだけ乗っても、喜ぶかなぁ?」そりゃ、爺ちゃんなによりも船が好きやさかいなぁ、喜ぶで。戦艦大和に乗ってた爺ちゃんのお兄さんも喜ぶできっと。


  子どもが、爺ちゃんを乗せたいと応募した「海上自衛隊の式典」で、自衛隊艦に乗船させていただいた。「酔うかなぁ」と心配していた当日は快晴で、波穏やか、子どもが心配していたほどの大波ではない。「船ってにおうなぁ」そや、船用ペンキの匂いやなぁ、とうちゃんは懐かしいわぁ。


「すごいなぁ、大きな船が一列やで。きれいなぁ」船団の美しさに驚いた。きれいに整列しているかのように、静かに進む。「こんなことができるんだぁ」訓練してるからだよ。安全第一、そのために人知れず同じ事をくりかえして、そしてたくさんの人がひとつになって集団を維持して行く。社会とはそんなものではないのだろうか。


「爺ちゃん戦艦のったで」「そうかぁ、船はすごいやろ」。2011.9.24記@海上自衛隊艦 谷村新司「群青」を聴きながら。



 

今年も子どもとともに歳時記2011年
「自然のチカラ、そして人のおもい」力まずに|@兵庫運河2011.11.27
「走る愉しさ」自転車に乗って|@サイクリングフェス兵庫2011.11.13
「日だまりの中の幸せ」青い鳥|@明石公園野鳥観察2011.11.12
「ふつうは幸せに」プロのあるべき姿|@昭和の須磨の浜2011.10.25
「自分の頭を頼りに」いきるってこと|@JT将棋日本シリーズ大阪2011.10.1
「爺ちゃんは海の人」生きるおもい|@海上自衛隊2011.9.24
「協力してこそ」生きるって、こと|@須磨の海2011.9.8
「人はなにができるのか」人を看る|@四国四万十川2011.8.23
「だれのための、自分ですか」祈るおもひ|@広島原爆ドーム2011.8.6
「あの人は元気だろうか」祈るおもひ|@KOBE長田商店街2011.7.8
「あの人のおかげで」魂よ安らかに|@KOBE兵庫大仏2011.6.25
「待ってる人がいてくれる」魂よ安らかに|@深雪山2011.5.23
「これ以上がんばらんでいいよ」魂よ安らかに|@KOBEポートタワー2011.5.11
「不言実行よ、リーダーは」甦るぞ東北|@甦るぞ東北2011.4.12
「一緒に歩んでいきましょうょ」|@水上勉『櫻守』の清水の桜2011.4.10
「たのむでぇ、リーダーよぉ」ふんばろう東北|@播但線2011.4.2
「がんばらんでええんです」ふんばろう東北|@甦るぞ東北2011.3.11
「役にたってるんや」はやぶさ|@小惑星探査機はやぶさ2011.1.29
「だいじょうぶ」先生のことば|@KOBE縁日2011.1.18
「ひとりじゃない」震災の日のながた|@震災の日の長田2011.1.17
「うしろ暗いは鬼のえじき」|@妙法寺追儺式2011.1.3

子どもとともに良き日に。2010年 
歳時記リスト2010


子どもと歳時記。 2009年 
歳時記リスト2009

トップページへ
本ホームページに掲載の文章・画像・写 真等すべてのコンテンツの
無断複写・転載を禁じます。ご感想などはメールにて。2014年4月16日 変更888
©Mac Fukuda1997