鬼さん、こちら。手の鳴るほうへ。ほんま鬼はええ方向にみちびかんとあかんなぁと。悪い鬼も居るがいい鬼が居たのがとある国の昔ばなしですが。今はすこし違うようです。自分たち集団のことしかあたまにない、はた迷惑な鬼たちが多くなったということでしょうか。
ある所にお金を集めるのが得意な黒鬼がおったとさ。そのおこぼれもらっていた白鬼たちが、たくさんの村をおさめることになったとさ。しかしあるとき鬼仲間で内紛が。さんざんなことを言いあい、あげくの果
てにまわりの迷惑かえりみず、仲間同士で喧嘩を新年早々おっぱじめよった。村びとは生きることで精一杯なところに、とんだとばっちりをこうむった。
村人たちはそんな白鬼、黒鬼の内紛など、どうでもよく。舟に乗って村人を連れ去る青鬼や赤鬼を退治して欲しかったのに。せっかく、春に商売をしようとして作ってたお花見三色団子も、赤鬼一族にもってかれてしまう。ここぞとばかり出てきた猿は、だからルールが悪いと言うだけで。
なにもしてくれないそんな状況を呆然と見続けながら、一番にして欲しいのは今の状況を変えることなのに。あぁ希望もなくなるなぁと。そんなとき、小さくても賢い童鬼が言ったとさ。ほんとに大切なのは村人の生活を守るために白鬼、黒鬼が一緒になって活躍して希望を持ってもらうことだよと。はるか遠い国には、それを書いてあるルールがあると。
日本国憲法第25条 【生存権・国の社会的使命】
1.すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2.国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
そして、それを実行するのが天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員たち。この憲法を尊重し擁護する義務を負う。国民がそうするのではなく、リーダーたちがそうしてくれる豊かな国だそうだ。ただ自己責任だと言ってたその国のリーダーは、自分の国の憲法すら読んでなかったので、鬼にくわれたとさ。
わたしたち村人もそんなすばらしい国に住んでみたいと希望をもった。閉塞感しかない今の状況に、ならされてしまうかもしれない我が身を嘆きながら。おしまい。
2011年1月3日記@妙法寺追儺式(ついなしき) KOBE,Japan.
尾崎豊「LOVE WAY」を聞きながら
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