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「四番でキャプテンが打てん、そら負けるで」「俺キャプテン辞めるわ」 「まぁ、不調ってのもあるしなぁ。そんなに言うたんなょ。サードだれが守るんや」。
「でも、あのバント処理はないで」「でもなぁ絶妙なバントやったで」「尻もちついて三塁までいかしてんで」「でも、失点したんはお前やし」「二番手投手が四苦八苦してんのやし、キャプテンはマウンドこんとなぁ」。
「今日の負けは先発の俺の責任や、もう何も言うな」「やつぱ、人間できてる学級委員は言うことがちがうわ。お前はしもさんか」「そんなこと言うなよ。今度は四番らしく打つからよ」。  


 そんな会話を聴きながら、まびき運転されている田舎の電車に息子と揺られた。小鉄の今の関心事は、地震で新幹線はどうなるのか? と駅スタンプ。前者は、東北新幹線は脱線すらせず地震の揺れ到達前に非常ブレーキがかかったという技術的優秀さをニュースで知り、どうして地震の揺れがくる前に非常停止で減速出来たのか? と興味津々の息子。スタンプの方は、各駅に行って子どもらしく、ぺったんぺったんとつくのが楽しいのです。


「青春18切符の方は、特急券と乗車券を買って次の特急でこの先行ってください」乗り継ぎの電車が間引きで運転中止されている事に「えぇ」と一同絶句。東北地震の影響で電車の部品の何かが足りず電車を出さないそうです。1時間以上つぎの普通電車はこない田舎の駅でのお話です。あなたならどうおもいますか? その町の普通電車は2両、しかし間引きしない京阪神間の新快速などいったい何両繋いでいるのか、というくらいの現実。  


  つまり、こうです。力の弱い地方は儲からないのだから営利団体であるJR西日本は株主さんの意向で、田舎の電車から止めていきたい。地震というええ大義名分ができた。ゆくゆくは儲からないものは廃止する。もしくは特急料金払って電車乗れと。国民の税金で線路引かせてもろて、その上高いお給金もろて、儲かる事しかしません。これが、『いまこの国で起こっていることの根本』ではないでしょうか。強いものが生き残りさえすれば、弱いものはどうなろが知ったことではない。早い話が、自分さえよければすべてよしというわけです。往生しまっせ。


「部品が足りないのなら特急電車を普通車にしたらええのになぁ」と子どもが言う、正しい道理なのだ、人間としてあたりまえの考え方なのだ。一時間に一本あるかないかの電車を東北地震の影響で止めるくらいなら、なんで一時間に10本もある京阪神間の電車を1本間引かないのか? 大多数の通勤客通学客が困るから、とでも言い訳するのか。止めないまでも車両の数量へらして、それを地方にまわすという考えを経営者としてなぜ考えないのか? なぜ、特急電車は空気を運ぶのだ? 新快速より遅い特急は特急といえるのか?それを考え決断するのがリーダーの仕事だろ。自分たちは公共交通を守っている自負はないのか! こんな事実を東北の被災者が聴けば、あぁ東京電力と根本は同じだとおもう。そして西日本にまで迷惑をかけていると事を情けなくおもうだろう。それが人間の想像力というものだ。


  人口がすくない町に生まれ、通学している野球部員は間引き運転の犠牲になれば良いのか? 芦屋に生まれた、裕福な野球部員はのうのうと電車で通学するのか。地震を自分のこととするとは、こういうことを考え、ただ単に『数と金の論理で行動する』ことを変えることとちゃうのか。「お前、そんなこと言うても日本は民主主義国家や」とボクに説教する友人がいた。「そうか、そしたら一匹の羊がお前で、五匹のオオカミが俺たちやな。その中で民主主義の名のもとに多数決で、公平に誰から食べるかを決めるんだな」。

「多数決では決められないことが世の中には存在する。民主主義を無視して、弱い人、しいたげられている人の助け手と成ることが上に立つ者の使命だ」とインドのあるキャプテンは言ったそうだ。誰かに聴いていただきたいよなぁ、なんのためにあんたの会社や政党はこの世で存在しているのかと。福島の原発で作った電気は福島の人は使わせてもらえない、そうではないか。あげくに放射能汚染されているからとほうれん草は東京では要りません、そりゃないやろ! と関西人なら激怒する。もひとつ挙げ句に関西で食べてるホウレンソウを東京へよこせ、ときたもんだ。「経済論理だ」そうだ。つまりは金さえ払えばどうとでもなると都民や上に立つ者はおもうてけつかる。怒るでぇ。


  ボクが東京電力社員なら、福島県にはお世話になっているのだから、食べるもんは福島の農産物を買う。使わない電力のため犠牲を払ってもろて、それで自分はお金儲けできている。今の事態になれば「福島の返品された農作物もすべて役員報酬で買い上げます」と言うのが記者会見とちゃうの? 時系列の事故の推移なんて知らされんでもええ。役員報酬つぎ込んでも、あんたら食べるのに困らへんやろ、むこうは困ってはるねんで。ボクが東京都民なら福島の農産物を買うし、間引き運転の電車も待つ。力のよわいところへもうこれ以上しわよせして、自分だけが生き残るなんて嫌やさかいなぁ。@神戸から2011.4.2山下洋輔 、 日野皓正、安達久美 、岡本博文.「慈愛 Love」を聞きながら。

追伸「【JR西日本 車両保守部品の不足に伴う列車運転計画の見直し】4月8日(金)の始発列車より通常のダイヤ・編成両数での運転再開。臨時特急列車も運転。4月11日(月)から計画しておりました京阪神エリアにおける普通 列車の運転本数の見直しについても実施せず、通常のダイヤで運転をいたします。」との情報が入りました。

今年も子どもとともに歳時記2011年
「自然のチカラ、そして人のおもい」力まずに|@兵庫運河2011.11.27
「走る愉しさ」自転車に乗って|@サイクリングフェス兵庫2011.11.13
「日だまりの中の幸せ」青い鳥|@明石公園野鳥観察2011.11.12
「ふつうは幸せに」プロのあるべき姿|@昭和の須磨の浜2011.10.25
「自分の頭を頼りに」いきるってこと|@JT将棋日本シリーズ大阪2011.10.1
「爺ちゃんは海の人」生きるおもい|@海上自衛隊2011.9.24
「協力してこそ」生きるって、こと|@須磨の海2011.9.8
「人はなにができるのか」人を看る|@四国四万十川2011.8.23
「だれのための、自分ですか」祈るおもひ|@広島原爆ドーム2011.8.6
「あの人は元気だろうか」祈るおもひ|@KOBE長田商店街2011.7.8
「あの人のおかげで」魂よ安らかに|@KOBE兵庫大仏2011.6.25
「待ってる人がいてくれる」魂よ安らかに|@深雪山2011.5.23
「これ以上がんばらんでいいよ」魂よ安らかに|@KOBEポートタワー2011.5.11
「不言実行よ、リーダーは」甦るぞ東北|@甦るぞ東北2011.4.12
「一緒に歩んでいきましょうょ」|@水上勉『櫻守』の清水の桜2011.4.10
「たのむでぇ、リーダーよぉ」ふんばろう東北|@播但線2011.4.2
「がんばらんでええんです」ふんばろう東北|@甦るぞ東北2011.3.11
「役にたってるんや」はやぶさ|@小惑星探査機はやぶさ2011.1.29
「だいじょうぶ」先生のことば|@KOBE縁日2011.1.18
「ひとりじゃない」震災の日のながた|@震災の日の長田2011.1.17
「うしろ暗いは鬼のえじき」|@妙法寺追儺式2011.1.3

子どもとともに良き日に。2010年 
歳時記リスト2010


子どもと歳時記。 2009年 
歳時記リスト2009

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