「六甲山から甲子園までジェット風船飛ばしたい!?」
そう言った友もいたけど。甲子園球場風船飛ばしはぜひライブ で見てください、ファンでなくても感動です。



須磨浦公園からは桜をバックに須磨の浜と神戸の街と
大阪湾が一望できる。 なかなかのロケーションなのだが人は少ないので穴場です。


神戸の夜景を見るのなら夕暮れ時の布引ハーブ園がおすすめ。
こどもの足でも2時間くらいのハイキングで街から着いてしまう。 2003年クリスマスも子どもと登り、森のホールでアベマリアを 聞いてクリスマス気分を満喫。イベントも要チェック。 帰りは神戸の夜景を楽しみながらゴンドラで20分。


私自身はじめてエゾキスゲの群生を観たときは、 なんだか不思議な気持ちになった。キスゲだけでなく、 クリンソウの群生もきれいだ。 ここ六甲高山植物園は花のシーズンおすすめスポット、要入園料。


 

摩耶ケーブル下の桜並木は神戸の隠れた桜の名所。 ただし下り坂の一方通行の道で、バスの屋根にあたる 感じでソメイヨシノが花を着ける。大型車が通 るたびに 花吹雪が。 もちろん駐車など出来ない。



六甲牧場は観光牧場だが、親子が楽しむにはぴったりの 施設。ポニーに乗れたりもする。入園料必要。


北山ダム周辺は桜の名所。 甲山には山桜やコバノミツバツツジが一緒に咲き誇り美しい。 ハイキングお花見にはもってこいの場所、子どもの足でも楽ちん。



甲山は桜と花と鳥たちの楽園なのだ。



さくら通 りから見た関西学院の時計台。 その後には 甲山が。通称上ケ原牧場に吹く風も六甲颪だ。

















 

 

 「風船を舞い上げる六甲颪を見たいのだけれど」「六甲のおいしい水を山で飲みたい」
 そう言って何人かの友人がわが家にやって来た。だけど関西人でも「あれが六甲山だよ」と山の頂を指させる人は少ない。以前はアメリカ軍の軍事用パラボラアンテナが1992年まであり、すぐに目に付いたが行きたくても行けない日本であった。撤去後は一般 人も六甲山に登れるようになったけれど。。富士山のような六甲山と呼べるひとつのカタチの山は無いと言ったほうがいいと私なんかは思っている。確かに標高931,13m(北緯34度46分29秒、東経135度15分59秒)の六甲山は有ることはあるのだが。それだけではさびしすぎるのだ。あまりにも名だけがメジャーな山だけに。


 「六甲山って大阪の山?」と阪神タイガースのイメージの強い北海道から来た友人は言う。「それって生駒山。六甲山と言うより六甲の山の連なりから吹く風が六甲颪(おろし)で、兵庫県にある。大雪山国立公園って言うでしょ、でも大雪山なんて山はどこにも存在しないのに山山の連なりが雄大で人気がある。六甲山もおんなじ、規模は違うけど。でもおんなじ国立公園だけどね」「それで納得。六甲山は山脈ね」「そんなたいそうな。摩耶山や再度山などの山の塊だね」「でそしたら六個の兜のカタチした山でもあるわけ」「さすがに山好き、すこし当たっている」六甲連山の東の端には甲山と、そのまんまの名前の山まである。2000m等級の山やまを想像しているかのような彼にその六甲の山々を実感させるために、垂水から電車に乗った。ココから西宮あたりまで電車に乗って山側を観ていれば六甲山というのはひとつの山ではなく、山やまの連なりを簡単に思い描くことができるようになる。


 「3日間で西から東に六甲山を登ってみようよ。登ると言うよりもハイキングだけれど」そう言って、まずは鉢伏山をめざすことに。須磨浦に突き出た六甲山の西の端鉢伏山、鉄拐山は海に面 した山で200mほどの低い山だが存在感がある。そして歴史もあるのがニクイ。ここ須磨一の谷の源氏と平家の合戦はだれでも知っているところだ。山を登ると言うより、散歩して上がってくる北の国からの友人はこう言った「ここ、馬で源氏が降りたって、いくらなんでも信じられない。ホントなら驚きだけど」ちょうど季節は春、山頂での桜をめでながら須磨の浜から神戸をめぐらせば、六甲の山野しんしんとして「思ったより、低い山だけど海に切り立っているよ、でもおもしろいよなぁ」と。


  「山の男には悪いけど、もうひと山登りましょう。帰りはカーレーターとロープウェーで」「なにそのカーレーターって」「知らないの?有名なんだよ。日本広告機構のかわいい小さな女の子の骨髄バンクのCM見たことない?夏目雅子さんの前のCM。吉永小百合さんの声でカーレーターの前の女の子がドナーになってって訴えてるの。その子はその後骨髄移植を受けて元気に走り回っている姿でまた骨髄バンクのCMに出てたよ。ひとりの人間が人の命を救える、そんなこと実際の生活では実感できんけど、ドナーにさえ成れば実感できる。すごいよなぁ。それにこのロープウェー、薬師丸ひろ子さんの映画にも出演してるんだよ」


  神戸の市街地に入っても山はなだらかに続く、それを観ながら「六甲山って何処まで続くの」と彼。「君の吹かれてみたい六甲おろしが吹く西宮甲子園の向こうまで。でも今日は布引の滝みてハーブ園まで登って神戸の夜景を見て、おしまい」


「新幹線の駅のウラに美しい滝があるなんて。これって山というよりまだ麓だよね。でも街のど真ん中から、すぐに山に入れるなんて信じられない」と布引の滝を観ながらそう言った。ハーブ園からの百万ドルの夜景とまでうたわれた神戸の夜景を堪能してもらって六甲山ハイキング第一日目は終わった。
 その後、神戸に来たらぜひ食べたいと、みんなが言う神戸ビーフ。「でも自分のお金でね」と注文つけたくなる少しお高い神戸ビーフを食べに三宮ハンズ前へ。老舗モーリヤで、神戸ワインと神戸ビーフで大満足の彼。お店にあった神戸牛の証し「血統書」ならぬ 牛の鼻印をめずらしそうに眺めてる。「子牛のときにそうして、鼻印を押すのです。人間の指紋と同じで、同じものはありませんし成長しても変わらないので神戸牛の証しをそれで見分けるのです。本物の印がハナの血統書ですね」とシェフに教えられた。「サラブレッドなみの扱いだね。そりゃ美味しいワケだ」


 二日目はすこし歩きましょうと摩耶山から六甲山の山頂付近にたくさんある施設を見て有馬へ下ろうと。「その前に、私の神戸で一番のおすすめの桜のスポットを歩いて行こう」と摩耶ケーブル下の早朝の桜並木を堪能。そしていよいよ山へ。1時間程で標高600mほどの摩耶山へ。「摩耶山、いい名前だよね」「弘法大師がこの山の先の再度山で修業したこともあり、この山も歴史があるよ」ここから奥摩耶ドライブウェイと平行してさっさか歩く歩く。



「今日はすこし歩くから昼ご飯は、ビゴのフランスパンに南京町の益生號の焼き豚をはさんで歩きながら食べますか。パンと中華の町神戸だから、これもいいっしょ」「神戸洋菓子も食べたいなぁ」「心配ご無用。美味しいアランカスケビッチのチョコを持ってきたよ」「フランス人の山登りみたいで、なんだかおしゃれだね」神戸名物を食べながら彼は「六甲山って動物はいないの?」「いるよ、羊」「え!それって野生」「いや六甲山牧場に」「いや、熊とか、栗鼠とか」「いるよ、猪」「え!それって野生」「だって六甲の北の丹波篠山とかにはまだ、その猪を鉄砲で撃つまたぎの人も居るからね」と言っても彼は私を疑いの目で見ている。「猪の肉も冬場はこのあたりの名物なんだよ」「そうなんだ」


 六甲山ホテルを過ぎたあたりで「山の中にもなんだか保養施設があって、リゾート地だよね」「日本でゴルフ場がはじめて出来たのが六甲山だし、神戸の港に来た異人さん達の避暑地がここ六甲山だったわけ。今ではスキー場まであるんだから。元祖リゾート地」「ウソでしょ?」といぶかしがる。「どっこい、それが六甲颪なわけ。このあたりから、西宮の平野部に向けて山風が吹くわけさ。北海道ほどではないにしても、風は冷たいの。でも根雪には成らないから人工のスキー場ね。そうそう、北海道と同じ名物もあるよ。ジン、ジン、ジンギスカン!六甲山の名物なのよ、ジンギスカンが。それからだまされたと思って、一度7月にまた来てよ。エゾキスゲが斜面 に一面に咲いてて、そこだけが北海道しているのよ」「なんでエゾキスゲが咲くわけさ?北海道って寒いのよ、ココは北の国からは遠いし、暖かいし」でも六甲山高山植物園には美しく咲いているのだ。そう言えば彼昨日もおんなじことを言っていた。


  「なんでここにラベンダー畑があるわけさ?さだまさしが流れるわけ?」「あーぁあぁあ・・」でも布引ハーブ園には初夏、ラベンダーが咲き乱れる、北の国からなのだ。6月の紫陽花も山歩きのこころを和ませてくれる。なんとも花好きにとっては、5月から7月上旬の六甲山は最高だ。六甲山頂から六甲越、そして魚屋道を2時間半かけて有馬へ。六甲の北斜面 を歩いていると「なんだか今まで見てきた山と全然雰囲気が違うね。荒々しくて」と彼は言う。そう表六甲とウラ六甲とでは、趣がすこしちがう。山登りをしたなぁと言う気分にさせてくれるのが、ウラ六甲だ。有馬街道沿いの蓬莱峡の岩がごつごつした奇景なんて彼に見せれば、もっと驚いたかもしれない。そう世界の黒沢監督がここでちゃんばらを撮ったなんて言えばどんな顔をするだろうか。「いい温泉がすぐそこにあるんだよ」日本三古泉のひとつ有馬も六甲山と同様に全国に知られた名前だ。「六甲山の山麓ウラにあるのが有馬温泉なんだ」と彼。「秀吉が大阪から有馬温泉につかりに来たってことは、秀吉も六甲山を越えてきたわけ?」


 三日目は桜の舞い散る夙川沿いを苦楽園までお花見して、銀水橋から北山公園を抜け北山ダムへと向かう。北山貯水池は桜も今からが見頃といった趣。夙川沿いよりもすこし山に入った分遅いが、枝垂れ桜は満開だ。六甲山最終日の私のもくろみは桜の季節だし桜三昧の六甲の山やま。北山貯水池でお花見弁当を食べ、目の前にぽっこりある甲山をめざす。神呪寺から大阪湾を一望して標高たった309mの甲山へ。関学の運動部の学生が短パンで駆け上がってくるのを、なんだこれはと言った目で彼。「この山の麓に中高一貫の学校と大学があって、ここは遊び場なのよ」甲山には桜だけでなくところどころに淡い紫色したかわいいコバノミツバツツジも桜と同じ時期に咲く。それを観た彼はいたく感動したようで、桜よりもこちらの方が印象深いと。確かに植物学の父とも呼ばれた牧野富太郎博士もこのコバノミツバツツジが咲きみだれる姿を西宮の廣田神社で観て感動したと聞いたことがある。その廣田神社は甲山の南に位 置する。阪神タイガースが優勝祈願するのがこの廣田神社だ。

  甲山森林公園を歩き、上が原上水場から関西学院のキャンパスヘと入った。宣教師で建築家のボーリスが設計したキャンパスと時計台をはじめ建設当時から残る建物群は、ここに通 っていた者でさえ今見ても新たな感動がある。「なんだか日本ではないみたいな、不思議な空間だね。異国の地に居るようで。これがほんとのキャンパスだよね、人の空間があるって感じで。でも北大の方がもっとすごいよ」その異空間を抜け、彼をまた驚かせたのが関学から延々と続く桜道、その名も「さくら通 り」だ。「なんとももはや、桜づくしだね」「桜並木を歩くのにも飽きただろうから、君の町で生産しているお馬ちゃんが走る所に連れていくよ」そう言って私は仁川の川沿いを歩き阪神競馬場を彼に案内した。「六甲山は花の山なんだね。桜も北海道の桜とくらべて淡い色で上品だったし、こんどは他の花咲く季節にも来たいよ。山は高くないけれど、町と対をなしていて、どこからでも山に入れて、そして楽しめる、ほんとにいい。猪や六甲颪には出会えなかったけれど、楽しかった。こんどは西の鉢伏山から東の甲山まで山を縦走したいよ。一度、猪鍋も食べてみたいし。今度もつきあってよ」と彼は言い残して北海道へ帰っていった。

前のページへ



本ホームページに掲載の文章・画像・写真等には著作権があります。
すべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。
©MAC FUKUDA All rights reserved. 2010年6月10日