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 香りの女王と言われているラベンダー。地中海原産のシソ科の多年草で、かってローマ兵士たちがヨーロッパ全土に広め、いまではイギリスやフランスでは特に愛されているハーブだ。日本でラベンダーと言えば北海道富良野と言うくらい、富良野イコールラベンダーのイメージが定着した感があるラベンダー。でも私がはじめて北海道でラベンダー畑を見せてもらおうと富良野市を訪れたとき、ガッカリした覚えがある。

  北海道らしいラベンダー畑があるのは富良野市ではなく北のおなじ富良野だが上富良野や中富良野にあると言われたからだ。また電車に乗って引き返して、見に行った覚えがある。そしてこの写真のラベンダー畑だが富良野ではなくて芦別のラベンダー畑だ。「あぁ、これが北海道富良野のラベンダー畑か」と思われる写真も、北富良野や他の地域のラベンダー畑かもしれない。おんなじ富良野と付くから良いではないか、そうかもしれないが、それもおかしいなと言う気がしてならない。


 ラベンダーはその色がなんともステキだ。ラベンダーを紫色と言う人もいるが、決して紫ではない。単純な色の表現では、なんだかソンをしていると私は思う。上質の生活なんて言うが、そんな事を言う人に限って色の表現力に乏しい。西洋では紫をパープル、限りなき青に近いバイオレット、そして青のブルー。バイオレットを紫と日本ではよく言うが、これでば西洋人と日本人とのその色に対する認識は非常なズレが生じている。

  その限りなき青に近いバイオレットをラベンダーの色と言う。ラベンダーブルーとも言われ、そのラベンダーの青色はなんだか引き込まれそうな感覚がある。色とはそんなものだ。ラベンダー色は日本では紅藤色か青藤色。その名の通り藤の花の色だ。紅藤色の着物は若い女性の色、青藤色は大人の女性の色とされていた。


 ラベンダーの写真は印刷にかけると、その色が出にくくて印刷屋さん泣かせでもある。ちなみにラベンダーの色はCMY分解でシアン60から70マゼンタ同じく60から70イエロー0くらいで、バイオレットはCMYでC80M80Y0。実際わたしも思うのだが、近寄ってみるラベンダーの色と私たちがイメージしているラベンダーの色とはへだたりがあると思う。

 
  それはラベンダーが花の先にいくほど色が薄くて透明感があるためとそのたくさんの花をひとつにまとめる茎のなんとミドリ鮮やかなことか。そんな色々な色がまとまりあってラベンダー畑を彩るのだから、ほんと表現するのはむつかしい。しかし、だからこそこだわりたい。


 ラベンダーはハーブとしてその昔は富良野盆地一帯で大規模に栽培されていたらしい。しかし1970年はじめに合成香料が出来てから、ラベンダーからエキスを抽出してということも少なくなり、一気にラベンダー畑が少なくなったと聞いた。今あるのは観光農園としてのラベンダー畑が多い。今はなんでも似たものが出来てしまう、このようにラベンダーと同じ香りのする合成香料しかり。

  でもホンモノのラベンダーではない。ホンモノそっくりのニセモノなのだが、それがよくわからない時代だとも思う。私の友人のヨーロッパ人は「コーンを混ぜ物に使ったニセモノビールをよくビールだと言って日本人は飲めるね、ウオッカじゃないの(^○^) しかもそのコーンは遺伝子組み換え食品のアメリカの戦略食品だからね。ボクは寿命をアメリカにコントロールされたくないからいくら美味しくたって飲まないよ(^▽^ミ」と。確かにドイツでは米やコーンなどの混ぜ物をしたものをビールとは言わない。ビールのような飲み物なのだ。ホンモノではないのだ。
 ラベンダーの花言葉は「私にこたえてください」
※初掲載1998年6月 、データは当時のものです


北海道中富良野北星ファーム冨田1

6月の花は紫陽花8月の花はユウスゲ
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2013年8月24日 変更

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