北の国サクラサクサク今日も咲く

北海道の屋根大雪山を臨む

 私は北海道に移住したいと1990年前半から1年の内1ケ月近くを毎年北の大地で過すようになった。しかし北海道に移住したいと言う思いも1995年の阪神淡路大震災に遇い、少しうすれてしまった。地震直後に「全壊のいちから出直すなら、ほかの土地でやり直したほうが早いよ」といろんな人から言われた。もちろん北海道に住む友人からも移住を薦められたりしたのだが、自分が慣れ親しんだ町を捨てるのもなかなか決断がいることに気がついた。それは、大震災のような天災でぐちゃぐちゃになっている町やみじかな人たちを肌で感じると、余計に後ろ髪をひかれてしまう。そんな思いなのだ。大震災という重大事も起こらなければ、今ごろ私はこのホームページを北海道から発信していたかもしれない。

  天災を受けた町がTVに映るたび、何故安全な場所に引っ越さないのか・・なんて簡単に部外者は考えてしまう。現に私もそうだった。私などは慣れ親しんだ町神戸を離れ移住を考えていた人間だ、それが地震などに出会くわしてしまうと、この町のためとか、ここで逃げるわけにはいかない、とか考えてしまう。ほんと人間とは勝手で不思議な生き物だ。

  ただ明日のことなんてだれにもわからない、そのことを知っていて欲しい。次の朝自分の住む家が潰れホームレスになることもあるし、独りぼっちになることだって確実にある。私だって全壊のためにホームレスになってしまったのだから。阪神淡路大震災のときが、そうだったのだから。あの時欧米では私を含め被災者をホームレスと呼んでいた。あなただっていつ何時ホームレスになるか、この地震国日本ではわからない。

  地震の年も荒んだ気持ちを落ち着かせるために北海道を訪れた。それは地震で全壊し、1月の結婚式が地震で駄 目にはなった先輩の新婚旅行の運転手としての役目もあった。「北海道のことなら」ということで私がお供したのだ。その時あぁ、桜好きなのに北の春は知らないなんてクルマを運転しながら思った。北海道の春を見てみたい、桜の季節を。そして翌年の1996年に訪れた。 北海道の桜前線はソメイヨシノの桜ではない。ソメイヨシノの桜は北海道ではなじみが薄い。北海道の桜の名所の多くにはエゾヤマザクラやシウリザクラが咲く。エゾヤマザクラは本土で言う「大山桜」と同じで、花が山桜より大きくて、なんといっても色が濃く派手なのだ。山桜の特徴である花と一緒に葉も出るが、花が大きな分葉に花が負けることなく、これがまた派手にみえるもとになる。私は桃の花のようだなぁ、とはじめてエゾヤマザクラを見て思った。シウリザクラはアイヌ名をそのまま名前にした桜で葉も大きい。なんだか北海道らしくて良い、おもしろい。

 このほか白い可憐な花を付ける「ミヤマザクラ」とその仲間「チシマザクラ」や「タカネザクラ」「ウワミズザクラ」などが北海道には咲く。ここ上川公園には エゾヤマザクラが主に咲くが、色は濃いものから薄い桜色のものまである。丘になっているので桜を見るには素敵な公園なのだ。公園に桜はつき物みたいに桜の花は植えられているが、この公園のように丘陵状態の場所に桜が植わっていると美しく鑑賞できると思う。桜の木を下から眺めるのもお花見的でイイのだが、桜よりも少し高いところから眺めたほうが花がきれいに見える。それにこの公園のようにバックは残雪の大雪山が見えたりするともう最高なのだ。お弁当に暖かいお茶がいい、北海道のお花見ではあるが。 上川町は町の95パーセントを山林が占めているため林業がさかんな町で、あの長野五輪ジャンプ団体金メダリスト原田雅彦さんの出身地でもある。

*このページの製作年は1996年、データ内容は当時のものです*

 

撮影は1996年5月19日
 場所
北海道上川郡上川町
交通 
JR石北本線上川駅下車とほ約20分
 問い合わせ先
上川町役場01658-2-1211
大雪山麓の宿ゆわんと村
http://yuwanto.sakura.ne.jp/

 

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©MAC FUKUDA All rights reserved. 2005年11月4日