野生動物の多くは夜活動するものが多く、また用心深いので姿をなかなか見せてくれない。でも、冬は違う。雪上の足跡を消すことは出来ない。その残された足跡から彼らの生活を知ることが出来ます。特にこのエゾリスはどこにいるかすぐわかる。足跡を見つけたら、それを追っていくと必ず木ノ実がある木にたどり着く。そこから足跡がない、ただその周辺には木ノ実がやたらと落ちてたりする。ポコッと、私の頭に木ノ実が落ちてきたりする。あれっ、上を見上げると何か動いてる。こちらを警戒してか、ポーンと隣の木の枝に飛んだ。モモンガかな・・よく見ると、エゾリス。
はじめて彼らと出会ったときは、どうしてリスが冬にいるんだ、と思った。リスは冬眠するものだ、と思っていたからだ。冬眠するのはシマシマくんのシマリス。エゾリスは冬眠しない。そして、冬場はこうして木の枝で遊びながら過ごしている。雪のうえのは、悪戯好きのエゾリスが落とし木ノ実が散らばっている。決して食べているのではない、どうみても遊んでいるのだ。彼らは秋にドングリやクルミを一生懸命集めてそこらかしこに隠している。冬場食べるためなのだ。
ドングリやクルミは木が種の保存のために落としても、大半は動物達のエサになる。だけど森では種の保存ができ上がっている。それはこのリス達の隠したエサのための木ノ実なのだ。森をある面
で支えているのはこうした小動物たちなのだ。彼らはせっかく隠した自分たちの食料の在りかを忘れても、のん気にこうして木の上で遊んでいるのだ。
ポカンとしばらく彼らを見てたら、足もとにちがうエゾリスが物珍しそうに立っていった。
そうだ、この森は彼らのものなのだ。私もこの森の住人に選ばれるような人間になりたいものだ。エゾリス・キタリスはニホンリスよりも少し大きい。アイヌ語でリスは「ツゥスニケ」(タイトルの上の足跡はエゾリスの手足ポン!とおしたもの)
Texts and Photo / Mac Fukuda.