そのネーミングからどうしてもピョンピョン跳ねるウサギを想像してしまうのだけれど、写
真をご覧になっての通り、ウサギとは言い難い。
体調は15センチほどの小さな動物で、ネズミのようにすばしっこい。私にはピーィーヒュルールー、とかピィイと鳴いているように聞こえる。動物の鳴き声とは、人によって聞こえ方も違うようで、アメリカではその鳴き声からピカと呼ぶらしい。アメリカ人には鶏はクックドゥドゥドゥだから、私はピカとはアメリカのナキウサギも鳴かんやろ、とは思うのだけれど、一度この耳で確かめたいものだ。
日本では北海道の山々にしか生息せず、氷河時代から現代まで生き延びてきた。空気の澄んでいる高山地帯の岩場をすみかにしている。活動するのは早朝と夕方が主で、なかなか見つけにくい。何日も彼に会うため山に登るが、全く会えない人もいる。私の観察した所では秋は昼間もせっせと食糧確保のために動き回っている。
ただおかしいのは、時折日なたごっこの様に腹を上に向けて昼寝をしている。そして、自分で岩場から落っこちたりするから面
白い。また、岩の上で乾燥した自分のウンコをまた食べたりする姿も、キョロキョロしながら食べるところが面
白い。もしかしたら、他のナキウサギのウンコを横取りしてるのかも・・(タイトルの上のハンコみたいなのはナキウサギの足と手形)
Texts and Photo / Mac Fukuda.