大きいけれど気はちいさい どさんこ馬



冬の馬牧場は美しい光景だ。


さぁ、あなたもいつもついてこないで、ひとりでギャロップの練習でもしなさい。


さぁ、むこうの牧草も食べにいこう。


ボクもこの川わたれるのかな・・


おっと、と、あぶないっしょ!でもわたれたよ、かあさん。


なぁ、かあさん、ボクも大きくなれるのやろか。
 
 

 馬といえばサラブレッドの競走馬しか思い浮かばない人もいるだろう。しかし馬にもいろいろなやつがいる。農耕馬としての馬たちもそんなひとり。北海道の人達は自分たちと苦労をともにしてきたこの農耕馬を自分たち・道産子と同じ「どさんこ」と呼び、ひときわこの馬に愛情を込めている。外見は足がサラブレッドと比べると短くて、からだは太くてどちらかというと短い。顔もデカイと言う人もいるが、馬だから顔が大きいのはあたりまえ、カワイイ目で見つめてくれる。馬の目と言うのはなんとも、かわいいのだ。


  どんなデカイ馬もかわいい目をしている。野太くてがっしりとしたどさんこは、乗ってみると安定している。北海道ではどさんこトレッキングなどの観光乗馬もある。どさんこの蹄鉄を馬牧場からいただいたのだが、これがまたデカイ。サラブレットの倍以上だ。この馬は体重1トンを越えるものもいて、サラブレッドの倍の重さだからそれはそうか。木材や農産物などをソリに乗せて運ぶのだから、これくらいの体つきと足の太さが必要なのだろう。しかし、いまでは近代化によって林業や農作業にはあまり使われなった。



 この馬が簡単に見られるのが「ラ・バンバ」と言うバンエイ競馬と呼ばれる、北見、帯広、岩見沢、旭川の公営競馬場でみられる競馬だ。馬好きの人はぜひ一度バンエイ競馬も経験して欲しい。とは言っても、サラブレッドのようにただ走るだけではない。重い1トン近くのソリを引きながら、1メートルから1.5メートルの砂山障害ふたつを越えなければいけない。なかなかこの障害を越えられない馬もいる。予想はなかなか難し。もともとは、明治の北海道開拓農民が農耕馬の祭典として、日頃世話になっている馬を持ちより競争させたのがはじまり。公営競馬場以外でも、似たようなバンバレースをやっている。


  現在公営競馬のバンエイ競馬の馬は、フランスブルターニュ半島原産のブルトン、フランスペルシャン地方原産のペルシュロン、ベルギーバラバンド地方原産のベルジャンなどの外国産馬とその混血馬たちが走っている。こちらの方も外国産馬が強いのか。すこし残念ではあるけれど。
Texts and Photo / Mac Fukuda.

馬のふるさと
北海道西舎の桜並木

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