朝日に にほう 山さくら花

長野県戸隠の素桜神社の神代桜の大樹

 千歳を超えるご長寿のおじいさんの桜が長野にもいる。住所は長野市内だから街中だと思っていた私が馬鹿だった。行けども行けども山の中、もう長野市からはずれているだろう、きっと道を間違えたのだと思いクルマを停めて農作業中のおばさんに聞くと「まだまだ先だよ」と言われビックリ。たどり着いてビックリ。山里のそれも眺めの良いところにデンと咲く立派な桜の巨木なのだ。それが長野戸隠バードラインの途中にある「素桜神社の神代櫻」。
  植林を日本に伝えたと言われる素戔嗚尊・すさのおのみことが植えたと言う伝説から神代櫻と呼ばているが、樹齢がはっきりせず謎の桜。樹齢約1200年とも言われている。山梨の山高神代桜と岐阜の根尾谷淡墨桜と長生きでは争っている。ある書籍では「樹勢も衰えている」とあったので心配しながら実は行ったのだが、満開とは聞いてきたけどぱらぱらしか花がないなんて事ないだろうな・・なんてあらぬ 心配して。しかし、なんのことはない。お会いしてビックリ、元気な爺さんと言う感じなのだ。杖は付いているけれど(木の枝を支える添え木)、そんなに至る所にあるわけでもなく、この地のおじいさんのようにかくしゃくとしてらっしゃる。
  しかし地元の80歳くらいのちっちゃいおばあちゃんは「私が子供んころはもっと枝がたくさんあり、大きかったのよ。この木も私とおんなじようにちいさくなって」と話してくれましたから、そりゃもっと壮観だったことだろう。木も年をとってじいさん、ばあさんになれば、人間と同じようにちっちゃくなってくるのだな。
  聞けば1992(平成4)年に樹勢回復の処置を施したとか。それから年ごとに花もたくさん付けるようになったとたぶんご近所に住む方だろうおじさんに教えていただいた。だけど、まだまだ1200歳になっても山奥深い里で元気そうだ。こんな桜を観ていると、自分の人生なんてちっぽけで「なに地震でグラグラきて驚いてんだい」と言われている様で。そんな自然の大きさをしった一日だった。
*このページの製作年は1999年、データ内容は当時のものです*

 

 

撮影1999年4月22日
品種は「エドヒガンザクラ」
推定樹齢1200年の巨木
1935(昭和10)年国の天然記念物に指定

場所
長野県長野市泉平
交通
JR長野駅から七曲経由
戸隠中社行きバスで約30分新安下車
とほ約20分
問い合わせ先
長野市教育委員会0262-26-4911

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