風のふくまま気の向くまま
いきて生きてみたいのさ
テーゲ テーゲ テーゲーヤサ 
「テーゲ」より

日本でも最大級の個体の先島蘇芳の木

 テーゲとは「適当に」と言う意味だという。沖縄には沖縄の人にしかわからない言葉が有る。北海道には北海道の言葉が有るように。また神戸にも関東人には関西弁といっしょくたにされるが京都や大阪の人にもわからない神戸弁なるものがある。そんなもの有ってあたり前だ。その通 り。あたり前のことが、一億総同一化のために、あたり前では無いのだ。2000年東京で流行した「ソバメシ」なるもの、少なくても30年以上前から神戸にはあたり前にそばめしは存在しており、冷や飯を美味しくいただくには最高の調理方法だった。神戸の人間はあたり前に、ほかの地域でもそんな簡単で美味しいことあたり前にしていると考えていたもんだ。

「あの子ちょっと変わっているよ」そうしてその人を排除する傾向の強いこの国。 価値観の多様化、個人の時代なんて言葉が踊るけど、実際町にでればオープンカフェが流行ればオープンカフェに行くのが良しとされ、そういえばカフェバーはどこいったんだ俺だけのカフェバーに行こうなんて奴は居ないのか。本当に価値観が多様化すれば「変わっているあの子」が増えるんじゃないの?変わっていてなにが悪いの?価値観が多様化してんだからイイでしょと。そんなこと言える世の中が価値観が多様化した個人の時代なので、いまは価値の均一化した野暮な時代なのだと私なんかは思う。まぁ適当に人と同じであろうがなかろうが、そんなこっちゃ知ったことではない、人さまに迷惑さえかけていなければそれでいい。そんな気楽な気分が私は好きなのだが。

 その木を見たときにはそのけったいなカタチに驚いた。その木の大きさよりも、はじめてみた変な感じの方が強かったのだ。なんでなん?なにこれ?写 真を見ていただくとわかるが、ついたて屏風のようなものが立っている。これは根っこだという。「板根・ばんこん」と呼ぶ。確かに巨木で根が地上に張り出していて壮観な木を見たことがあるが、これはちょっと違う。なんだかこの根っこの方が木自体よりも目立っているのだから。この木はサキシマスオウノキと呼ばれる。先島蘇芳の木と書く。先島とは沖縄本島より南の先の島の意味。アオギリ科の常緑高木で、日本では奄美大島、沖縄島、石垣島、西表島などに見られる木だ。台湾など南の島でも見られるとか。河口などの湿地でマングローブ林の内陸部に成育する。おもしろいその板のような根の形状だが、なんでそうなっているのか、その必要性などの意味などはあまりよくわかっていないらし。ただ1年に数ミリずつ上方に成長するとか。それにしてもおもしろいカタチの巨木なのだ。

 この木は最近日本一のサキシマスオウノキとして発見されたものだという。推定樹齢は400年。それまでは同じ西表島の古見のサキシマスオウノキが国の天然記念物として日本一のサキシマスオウノキと呼ばれていた。日本一なんて言葉もそんなもんである。それなら日本でも最大級の個体と言う表現の方がいい。もしかするともっと南の島にはこの数倍の太さのサキシマスオウノキが有るかもしれない。なんといってもサキシマスオウノキはマングローブ林の中に成育する木だから普通 は人間があまり寄りつかない土地だ。そんな中でひっそりと成長をしているわけだから、あまり人の目に触れないのも当然しかるべきなのだ。だから、私なんかはきっとどこか他の国の南の島にはもっとスゴイのがありそうだ、なんて勝手に想像してしまう。この木のこの板状の根っこは沖縄では船の方向舵に使われたりしていたそうだ。


 私の桜のホームページをご覧になって「巨木とあなたは言うが、たかが200年くらいの樹齢で巨木か」てな意見がある。そうでしょか?あんたより息が長いぜ。ケンカを売っているわけではない、だれが一体巨木と決めるのか。

  それで巨木の意味を調べてはみたが、これがありそうでない。とりあえず環境庁なるお役所が決めた巨木・巨樹の基準と言うものがある。私のこのホームページでの巨木は、それに準拠しているわけではない。教科書でもないんだから。あくまでも私の思いでこの木は巨木だろう、と言う感覚だけで巨木と言っている。学術的に調べておられる方には申し訳ないことだが。今度からは幹回りくらいならすぐに計れそうなものなので、実測したいとは思うのだけれど。

 環境庁が決めた巨木の基準は人の胸あたりの高さに当たる地上1.3メートルの高さで、幹回りが3メートル以上有る木をいい、幹の太さはおよそ1メートルとなるとある。また地上から約130cmの位 置において幹が複数に分かれている樹木の場合は、個々の幹の幹周の合計が300cm以上であり、そのうちの主幹の幹周が200cm以上のものとするとある。環境庁の巨木・巨樹調査が2000年と1990年に2回有った。1990年の調査結果 では5万5798本の巨木が確認されたと言う。2000年の調査結果はまだ出ていない。とりあえずは幹回り3メートル以上と言う巨木の基準があるが、幹が堅い樹皮に覆われてあまり成長しない種類の樹木もあるので、太ければいいというものでもないと私なんかは考えるが、しかしとりあえずの基準だと言うことだ。あまり太くはならないヤブツバキなどでも3メートルを越える巨木もみつかっているとか。

 また今まで日本一と言われていた鹿児島県屋久島の「縄文杉」よりも幹回りが2メートル太い18.54メートルのスギが山形県戸沢村で2000年の調査で見付かったとか。せまい日本でもまだまだ知られていない巨木もあると言うことか。 しかし日本一もそんな重要なこと、確かに広告宣伝的には日本一、世界遺産、世界一なんて言葉が踊った方がインパクトはあるが、インパクト、一発屋なんてその場限りのもんである。このサキシマスオウノキではないが日本一でしかも国の天然記念物だったものが、突然それよりも大きな個体がみつかることなんてあるわけだから。でもその木は国の天然記念物ではなかったりするから世の中おもしろいのだ。ソレデイイノダ、国のお墨付きをもらったからって、それがドウシタノ。日本でも最大級の個体なんて表現がよろしいのかと、私なんかは考える。

  そんなことより、どれほどその木がその地域の人に大切にされ、また人に愛されてイルカのほうが私は重要だと思うのだけれど。たかが100年の樹齢の木でも大切なんだし。1000年の木でも大切なんだ、その木の命を守りたい、私たちの子どもにまで残して見せてやりたい、その気持ちが大切なんだと。

*このページの製作年は2000年、データ内容は当時のものです*

サキシマスオウノキ及び仲間川マングロ−ブ林
撮影は2000年1月28日
場所
沖縄県八重山郡竹富町南風見201-109
仲間川遊覧船09808-5-5303
交通
那覇から石垣島まで航空便は1時間ごと飛ぶ、
タクシーで石垣島離島桟橋まで15分
ここから 西表島大原港行き船 。
西表島大原港からとほ10分で仲間川遊覧船乗り場、
船でマングローブ林の中をすすむ
問い合わせ 先
竹富町観光協会09808-2-5445
「桜ノ咲ク美シキ國ガアッタ」 桜一覧データ

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