|
||
花を待つ 心こそなほ むかしなれ
春にはうとく なりにしものを 西行 |
||
山梨県本郷の千年桜 |
||
花と言えば桜、その桜の名所が至る所にあるのが甲州。北に八ケ岳、南に富士山、東に丹沢山塊、西に南アルプスと険しい山に囲まれた土地、山梨。巨木と言われる木が多いのも特長、きっとこの地方の人たちが大木の木をデクノボーと言わず、大切にしてきた証拠ではあるが。この桜もその一本。本郷の千年桜と呼ばれ地域のひとたちに大切にされている。こうした巨木の木のそばには、必ず社がある。 社が先か、木が先か・・と言うことになれば、きっと木が先なのであろう。その木を守るために、社を建てるのだ。この木を3日間続けて見に行ったものだから、近所のおばあさんと仲よくなった。そのおばあさんが言うには「戦時中は大きな木がどんどん切られて、だけどこの木は神木だと言うことで切られなかった」と。同じような話は、杉の巨木のある高知県大豊でも聞いた。社の巨木は残ったけれど、あれよりもすごい木があったのに切られてしまったと。「本当にもったいないことをしたものだ」と。千年以上の樹齢の木を今から育てようと思うと西暦3000年か。人間はほんとうに馬鹿なことを簡単にしてしまう。 不思議なことに花の多い地域とそうでない地域とが、自然の厳しさなどとは関係なくあると私は各地を旅していて思う。はなの咲かない土地にはあまり行きたくない。その地区の方が花を好きなのと、古くからの木などを大切にしていこうと言う気概がある土地には長居をしたくなる。どれほどその花ばなや千年もの巨木の歴史に人は助けられるか。 阪神淡路大震災のあとヒマワリを植えようと言う運動があった。丸焼けの野っぱらに大きなヒマワリが1995年夏咲いた。その姿を観て私は、あぁ、こんな風になってしまった土地でさえ花は咲くんだと素直に感動し、そしてヒマワリの種を蒔いた人たちに感謝の念を抱いた。その日、喜納昌吉さんの「花」のCDを一日中聞いていた。あなたの住んでいる町には花はあふれていますか。 *このページの製作年は1996年、データ内容は当時のものです* |
||
撮影は1996年4月13日 場所 山梨県南巨摩郡南部町本郷 交通 JR 身延線内船駅下車山あいへ約5キロ 問い合わせ先 南部町役場05566-4-3111 |
||
本ホームページに掲載の文章・画像・写
真等には著作権があります。
|