丘を越えていこよ、というイメージにぴったりな丘があるのが北海道。ひまわり畑の丘が印象的だった映画「ひまわり」では、ソフィアローレンがひまわり畑を歩き、そのバックに流れるヘンリーマンシーニの哀愁漂うメインテーマが流れる場面
は忘れられない。ひまわりのその元気な姿とは対照的な彼女の姿、そのシーンには、うまい作り方だなぁと唸った記憶がある。
ただ映画好きな20代の人と話してると驚くのは「なんでソフィアローレンは何年も戦争後帰ってこないダンナマルチェロマストロヤンニをただひたすら待っていたのかわからない。なんでこの映画が名画なの!?」「私ならもうダンナは戦争で犠牲になったのだと自分にいいきかせ、他のイイ男を捜す。それに、ロシアの女性の方がソフィアローレンよりイイ女に見える。それに日本の嫁いびりとおんなじような事、ヨーロッパでもあるんやねぇ、あんなの耐えられない。なんで行方もわからない男の家で暮らさないといけないの?へん」とのたまう。ほんと名画の感覚も10年くらいの世代で全く違ってくる。
時代感覚もなく、これはイイ映画と言う方が間違っているのかもしれない。それが証拠に古い映画を集めた映画祭は、新しい世代の観客を呼びこめない。私も以前10年近くも映画祭のスタッフをしていて、年々若い人の映画を観る感覚が違うなと思ってきたからだ。それはともかく、ちなみに「ひまわり」の花言葉は「愛慕」。映画とピッタリだと喜ぶのは30才以上、若い人にとってはそれがどうしたん、で終わる。ひまわりはキク科の植物で原産地は中央アフリカ、食用油、染料、絵の具などに使われている。
元気な姿のひまわりとぴったりなのが 、こどもたちがひまわり畑をかけまわるその姿。そんな映画のようなシーンと北海道の北竜町ひまわりの里で出会った。最近でこそ各地で観光ひまわり畑を見かけるようになったが、ここはひまわり畑がむかしから有名だった。今では馬車が走っていたりする。日本一なんて好きではないが、作付け面
積は100ヘクタールで最大らしい、でもそんなことはどうでもいい。ここにはじめて訪れた時はただただ歩いた、それくらい広い、これが北海道だ、と圧倒された、そんな広い花ばたけを歩いたのは初めてだったから。
そして驚いたのが赤いひまわりが咲いていること。地元の生徒達が一生懸命育て世話している。「世界のひまわり」コーナーと言い、これがすごい、必見。播種から管理・ガイドまで教えてくれる姿にも感動してしまう。世界各地に咲くひまわりが同じ場所で美しさを競い合い、大ひまわり畑とはまた違った景観をつくりだしている。それにしても赤いひまわりは話しには聞いていたがはじめてみたので感動した。赤いひまわりは観る人を幸せにすると、以前本で読んだことがある。旅は出会いだけれど、こんな出会いもある。今では隣接地に温泉が湧き宿泊施設も充実している。
私の地元神戸ではみなさんからの地震の時の支援への感謝の花に「ひまわり」が選ばれている。
撮影は1992年8月3日、赤いひまわりは1995年8月8日、ひまわりの見頃は7月下旬〜8月中旬頃、年によりそれなりにヒマワリの満開日は違うので行かれる方は確認を。赤いヒマワリは毎年栽培されているとは限りません。
場所北海道雨竜郡北竜町和
交通 旭川空港から旭川市内へJRで旭川から滝川まで特急で約18分、 滝川から北空知バスで北竜まで約35分
お問い合わせ先北竜町役場0164-34-2111
※初掲載1997年7月 、データは当時のものです
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