空の翼に舞う桜の花びら

兵庫県西宮市の関西学院の枝垂れ桜
現在この桜はもうありません

 私がもっとも馴染の深い桜と言えば、母校関西学院に咲く桜。あの阪神タイガースの応援歌の「六甲おろし」やKG出身の大江千里さんの「六甲おろし吹いた」がびゅんびゅん吹きつける上ヶ原牧場と呼ばれるキャンパスは、ちょうど六甲山系の東の端になる。兜のような甲山の中腹にあり、甲山の頂き部分は「森林公園」として整備され、ここも桜や紅葉の名所だ。「かんせいがくいん」と読む、関学前の道路はその名も桜通 り。そう甲山の春はそれはもう至る所桜なのだ。甲山自体も森林公園として桜がたくさん植えてある。西にすこし行けば夙川の桜並木もある。こんな環境の良いところにいるとついつい勉強もおろそかになり、春は花見となってしまう。私は大学時代が一番お花見らしい花見を数多くしたと思う。枝垂れ桜に興味を持ったのも大学のキャンパスだ。校門を入ってすぐに関学のシンボル時計台とその枝垂れ桜が目に入る。スパニッシュスタイルの建物になぜか桜がよく似合うのだ。

  関学の素晴らしキャンパスの建物は、お隣の神戸女学院、東洋英和、韓国の梨花などの大学の建物や近江兄弟社、大丸百貨店心斎橋店、四条大橋たもとの東華菜館など数多くの素晴らしい建物を設計したヴォーリスによる設計だ。私も自分の大学を設計したこの建築家に興味を持ち、学生時代ヴォーリスの設計した建物を周り写 真撮影していた。だから私のように建築物の方も見物に来る人も少なくない。でもどうせ来るなら、なんといっても桜の咲く春と秋の紅葉の季節に来て欲しい。

 ここからそう遠くない、夙川河川敷沿いに何キロも繋がる桜の並木道も桜の名所として有名だ。京阪神の観光と言うと商業施設や人口物だけと思われているふしが最近あるが、あれは観光誌やタウン誌の弊害。雑誌などに惑わされているだけで、あとでどこに行ったのかすら思い出せない、笑ってしまいますが、あなたはどうです?だって京都に行ってその歴史や自然の豊かさ、四季の花、紅葉見ずして、モノ買っておしまいじゃあ「あの人アホどすか」と言うことになってしまう。神戸なんてもっと、物質的傾向がひどい。「あの人アホちゃう」って観光客にはならないでください。六甲山くらい自分の足で登っるくらいの心意気で。そこから六甲の美味しい水が湧き、旨い灘や西宮のお酒が作られているのですから。プロセスカットして灘のお酒だけ買ってもつまらないですよ。それもって楽しいお花見でもしてください。旅の楽しみがあとに残る、そんな旅を。

*このページの製作年は1996年、データ内容は当時のものです*
現在はこの枝垂れ桜はもうありません、2001年確認。
撮影は私が関学に行っていた
1980年代4月はじめ。
場所
 兵庫県西宮市上ケ原一番町1番
交通
 阪急今津線甲東園駅下車
とほで甲山を登ること15分
問い合わせ先
関西学院0798-54-6135
http://www.kwansei.ac.jp/
関西学院まえの甲東園につづく道のソメイヨシノの桜並木は美しい、その名も「さくらどうり」
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