パイナップルの実がなる畑の
琉球寒緋桜
 

沖縄県の本部町八重岳の
パイナップル畑と寒緋桜

 日本で一番早く咲く桜は、なんと1月に花が咲く。本土ではまだこれから寒くなる中、沖縄では琉球寒緋桜が満開になる。2000年一番の桜がこの写 真。「これが桜?」と思われる方も多いかもしれないが、桜には野生種の桜から園芸品種の桜まで数多くの種類がある。桜前線に代表される「ソメイヨシノ」は江戸時代のバカボンのパパが多く住んでいた染井村で、当時から有名だった奈良吉野の桜をなんとか江戸に・・と言うことで開発された園芸品種。一方本家の吉野の桜は野生の「ヤマザクラ」を植林していったもの。桜と言えばソメイヨシノだけが桜と思っている方も多いけれど、このホームページの他の珍しい桜を見ていただいて桜についての造詣を深めて欲しい。ソメイヨシノは土の黒い(火山灰土に近い)関東ではピンク色に咲くが、関西から西の土の色が白い所では白く咲く。だから関西の子供が描く入学式の絵の桜は白かったりする。関東の人にとっては桜はピンク色。しかし、それだけが桜の本当の姿ではないのだ。白い山桜もあれば、この寒緋桜のように濃い紅色の桜もある。八重枝垂れ桜のピンク色のようだ。
 人は自分の住む地域やマスコミの流す関東のニュースが日本国中で通用すると勘違いする節があるが、それは間違いなのだと言うことに早く気がついて欲しい。関西から西の子どもは土が白いと思っている子が多い。しかし、関東の子どもは「土は黒い」という。子どもの感覚を私たちは大人になるにつれ忘れてしまう、バカなことだ。自分の目で観たこと確かめたことを信じて行動する子どもの感覚を取り戻したい。桜の花の色の感覚や土の色の感覚だってこんなに違うのだ。
  寒緋桜は本土でも咲くが、花びらがぱぁーっと咲かない。垂れ下がった花の様に咲く。釣り鐘型の花と呼ぶが、琉球寒緋桜はぱぁーっと咲く。だから本土の寒緋桜と種類が違うのかとも思ってしまう。「あったかいからね、ぱぁーっと咲くのよ」と地元の人に微笑みながら言われた。琉球寒緋桜は野生種であると考えられていて、本土の寒緋桜のように園芸品種で外から持ってきたものではない。園芸品種ゆえに、寒緋桜の種類は数多く色も薄い紅色のものもある。沖縄でも地域によって色の違いもあるらしいが、一緒に梅や桃の花も植えていたりするので、それらが同時期に咲き乱れよく見ないと分かりづらい。この写 真のように南国沖縄らしくパイナップルと桜のコントラストが面白い。また花好きの方が多い沖縄の方は、自宅の庭などにも寒緋桜を植えられていて数多く見られる。花を大切にする地方は、旅人に対しても優しく思えてならないのは私だけであろうか。
*このページの製作年は2000年、データ内容は当時のものです*

 

撮影は2000年1月31日。
場所 沖縄県国頭郡本部町
八重岳・桜の森公園
交通 
飛行機で那覇空港から、レンタカーかバス。
那覇市バスターミナルから名護市十字路には
20系統の嘉手納経由西廻りで約2時間と
21・77系統の普天間経由東廻りで約2時間半。
名護市バスターミナルから
70系統で45分、八重岳入口バス停より
とほ山を登ること20分
問い合わせ 
本部町観光協会0980-47-3641

沖縄のほかの桜
1.今帰仁グスクの寒緋桜 2.名護グスクの寒緋桜

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