桜をこんな異人館から観てみると

桜が一番似あう神戸異人館ハンター邸

 神戸は港から発展した町だ。そこに海外から人が集まり、いろんなものが入ってきた。サッカーの始まりも、ゴルフの始まりも、近代洋服の始まりも神戸から。そういったものを日本に紹介した人たちが住んだ西洋館。それがいまでは神戸の観光のひとつにもなっている異人館なのだ。その異人館がたくさん建並ぶのが神戸市中央区北野町。その北野異人館街に登る坂のひとつにハンター坂と呼ばれるものがある。そのハンター坂は、アイルランド人の実業家E.H.ハンターが敷地まで馬車が通 れるように、私財で広げたとされていて、もとはこの坂の上に彼の邸宅があったからこの名がついたとか。

  アイルランド人の実業家E.H.ハンターは1874(明治7)年ハンター商会設立、建設機械、材料などの貿易を始め、1881(明治14)年には、大阪鉄工所を開設、後の日立造船に発展したと言われている。その異人館の建物の美しさに惚れ込んだのちの所有者であった林 同春さんら神戸の華僑の方々が兵庫県に寄付し、その後神戸市灘区王子動物園内に移築されハンター邸として保存されることになったのだ。神戸の異人館の特長でもある木造2階建てで、南側の2階に美しいベランダを持つコロニアル風異人館の代表です。神戸の異人館は、普通 2階に開放されたベランダを持つのですが、冬の寒さのせいか後で窓枠をとりつけてバランスを欠くものが多いのだが、この異人館は、はじめからそう設計されていたかのように統一されていて美しい感覚があり、私がとても好きな異人館ひとつ。その格子まどのデザインがすばらしい。

  実ははじめの持ち主はドイツ人A.グレッピー氏で、その後ハンター氏が買い取り、現在のように改造したらしい。棟上げ札に「上棟式範多氏、40年5月吉日棟梁芝嶋吉○建」と墨書きされているのでその事実が判明した。国の重要文化財でもあるのだが、お隣に住むサイやカバの方が動物園では人気者で、まず異人館としての見物客がすくない。だから神戸異人館めぐりではここ王子動物園のハンター邸と中央区わたしの通 っていた小学校横にある相楽園内のハッサム邸異人館はチョウおすすめ。ここハンター邸の内部は桜のシーズンの春と秋に観ることができる。そしてこの異人館の前庭にもソメイヨシノの桜が咲き誇ります。桜の名所としても知られている王子動物園は、もとは原田の森とよばれ、私の母校である関西学院の発祥の地でもありる。その当時の建物として明治24年に建てられたレンガ造りのチャペルが、美しい姿を動物園西端にとどめている。現在は市民ギャラリーとして開放されている。

*このページの製作年は2000年、データ内容は当時のものです*

 

撮影は1998年4月11日
場所
兵庫県神戸市王子町
交通
阪急王子公園駅から徒歩すぐ、神戸王子動物園内東端カバさん、サイさんの隣 
問い合わせ先
王子動物園078-861-5624 
休園日水曜日・入園料600円・駐車場あり

 

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©MAC FUKUDA All rights reserved. 2005年11月4日