わたしゃお多福 御室の桜
    はなが低くても 人が好く

洛西・御室の仁和寺の桜は春最後のお花見
としてにぎわうめずらしい桜

 さくらの名所は京都の町にはたくさんある。4月はじめは新年度でやけに仕事が忙しくて今年は花見が出来なかったな。そう思う4月の中旬、しかし、京都にはまだお花見を出来るところがある。私が大学生の頃、立命館大学にクラブの用事で訪ねた際に近くのこの仁和寺の桜をはじめて観て驚いた。うちの大学の桜はみんな散っているのに、ここの桜は満開だったからだ。出会いとは不思議なもので、その後何でなんでやろう、そんな想いがいつまでも残り京都に4月に行く用事があると仁和寺に立ち寄ってみたりした。「京の桜の名所は東の清水、西の御室」と呼ばれるだけあって、桜の種類も多い。だからソメイヨシノの花も4月上旬に満開の花を付ける。それを観たとき「いやぁ、大学の時観たのと違うよなぁ。もっと低い木でひな祭りに飾る桜の置物みたいにこんもりまぁるい桜だったよなぁ」と思った。
 人から「御室の桜」と呼ぶ桜があり、根元から枝がたくさん分かれて、樹高が低く特徴ある姿をしている桜が五重の塔の西にあることを教えてもらい、ソメイヨシノが散った後また観に行った。どうして根元から枝をだし花を咲かせ、そしてあまり高木にならないかと聞くと、仁和寺の地質が水分不足になりやすく、そのために京の蒸し暑い夏、枝の上部が枯れてしまうからだと言う。背の低い美人と言えばよいのだろうか、ソメイヨシノほどけばけばしくなく色白さんなのでお淑やかに見えるのだ。京都にぴったりの桜だなぁと私は思っている。そうか桜も品種や咲く場所で雰囲気が全く違う、だから人それぞれに自分の性格にあった好きな桜ができる。男の私の目から観れば好きになる女性と同じか。あなたの好きな桜は、だれですか。

*このページの製作年は1999年、データ内容は当時のものです*
撮影は1999年4月16日
場所 
京都府京都市右京区御室大内33
交通 
京福北野線御室駅からとほすぐ。
問い合わせ先
 仁和寺075-461-1155
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