春なれや 名もなき山の 薄霞

世界一の奈良県、吉野の山桜

 
 桜好きの私が友人にまずいの一番すすめるのが奈良吉野の桜だ。「ソメイヨシノ」桜の名も、江戸時代ここ吉野の桜のようにと付けられた名前。ソメイヨシノの名前から奈良県の吉野の桜はソメイヨシノ桜とよく間違えられるが、吉野の桜は山桜が主で、ほんのすこしだけソメイヨシノ桜がある。江戸の桜ソメイヨシノは吉野にあやかって開発した桜だからヨシノと名がつき、ソメイはバカボンのパパ・植木職人が江戸時代巣鴨染井村に多くいたと言うことから。ソメイヨシノは園芸品種として開発されたもので、いにしえの奈良の吉野の山には咲かなかった。ただ現在では全国江戸・東京化のために、ほんの少し吉野神宮にありますが。私なんかは、なんで奈良の吉野にソメイヨシノなんか植えるんだ、なんて思いますが。桜なら何でもいいみたいな感覚はいただけません。

 吉野は世界一と言われる山桜の景色。まるで絵巻物でも観ているかのような不思議な感覚におちいる。「これを観ずして死ねません」と昔の人は言ったとか。吉野の桜は桜とゆかり深い西行庵付近の奥千本、吉野水分(みくまり)神社の上千本、如意輪寺付近の中千本、吉野神宮付近の下千本。山の下から4月10日過ぎから咲いてきだして、4月末には山の奥にまで桜の花が登っていく姿は爽快です。何日も訪れても、飽きはしない。それはもう、一目一千本ですから圧巻。毎年私の感覚では4月20日過ぎが、ちょうど良いころだと思う。ただしこれは1995年までの毎年吉野に花見に行っていた経験から。温暖化の影響で最近は桜も咲く時期が違ってきているかもしれない。

 

 山全体が桜並木で、1日がかりの旅になるが桜のトンネルを散策するので苦労はない。それよりもはじめて吉野を見たときの感動は今でもはっきり覚えている。山麓からゆっくり歩いて登って2時間くらい。20日すぎごろはちょうど中千本が満開から散りはじめになるころ、山の上は満開近くに成るころだと思う。もちろん上も下も桜の花で美しい姿。雨の日の吉野もまた霞がかかったようで艶っぽくていい、吉野は桜の季節なんでもいいのだ。私は1988年から地震の前94年まで毎年のように桜を見に行っていたが、実は94年からは会っていない。

  21世紀は神戸の人も町もすこしは元気になって楽しい花見が出来たらと思うのですが。そううれば、また吉野の花見をしてみたいなと思う。 みなさんも是非一度吉野の桜はご覧になって観てください。こんなにすごいのか。そりゃそうです、昨日今日有名になった桜の名所じゃないわけですから。

*このページの製作年は1996年、データ内容は当時のものです*

撮影は1994年4月20日
場所  奈良県吉野郡吉野町吉野山
交通 近鉄吉野線吉野駅下車
とほで山を登りながら桜を愛でる
問い合わせ
吉野町役場07463-2-3081

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