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(C)Copyright Mac Fukuda2013 |
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さざんか さざんか 咲いた道、この童謡で「さざんか」はみんなが知っている花であるが、どんな花なのか言える人がすくない。排気ガスなどにも強い木なので、至る所で街路樹として植えられてもいる。そして冬にひっそりと花を咲かす、そんなめずらしい木でもある。そこでは問題、じゃあ「さざんか」はどんな木か?
「さざんかは椿とおんなじ」と言える人は、そこそこ花を知っている人。さざんかは「山茶花」と書くが、これは漢語の「山茶」からの名。「山茶」は中国ではつばきのこと。この名を日本に中国僧が伝えた時点では、日本ではすでにツバキのことを「椿」と書き、それが定着していてツバキのことを「山茶」とは言わなかった。「さざんかは椿とおんなじ」と言ったが、正確には違う。さざんかは日本特産種で九州や四国に自生する。野生の標準種は白い花をつけるが、いまでは園芸品種が多くありツバキのような薄紅、紅色のさざんかもたくさん咲く。その木が木工細工などに適してもいるので、色んなところで栽培されている。もちろんさざんかはツバキ科のひとつで似ている点は多い。 しかし、違う点も数多くある。一目見てわかるのが「花がぱぁーと咲く」点が大きく違う。ツバキのように半開きのしゃくし定規なお椀形していない。また仰向けに花が落ちればツバキと言われるように、さざんかは花びらもばらばらに豪快に落ちる。ツバキの雄しべは束になっていて雌しべがやっとわかるくらいびっしりしているが、さざんかは花びらとおなじでぱぁーっと広がり雌しべがくっきり見えるのが特徴。街路樹として植えられているあなたが「ツバキ」だと思っていた木の花をもう一度よく観てください、サザンカじゃありませんか。 ツバキ・Camelliaはオペラ「椿姫」が出来るほど、有名になった花。17世紀日本からヨーロッパに紹介されて今では全世界にカメリアガーデンがあり、日本人観光客ツアーも連れていかれたりして、ビックリ、そして「なんだツバキか」でおわってしまう。これほど有名な知らない人はいないくらいの大スターツバキに隠れて、一方さざんかはどんな花かさえ知られていないなんて、少々哀しい気もするのですが。ほんのちょっとした事でツバキは世界的な花になり、おなじサザンカはひっそりと咲く。これが逆転していても不思議なことではないのにとさえ思います。 ところでサザンカに漢語の名がなかったため、中国ではツバキのことの「山茶」の名がサザンカについたとか。これも考えてみれば変な話ですが。春に椿、夏に榎、秋に萩、冬に柊と言われるほど、春の季語として有名なツバキ。一方サザンカは冬の季語。ですから秋の終わりからツバキが咲いてると思ったら、まずサザンカかな?と疑ってよく花をみてください。他の花と同じように花びらが散っていたらサザンカですから。 花の少ない11月から12月に花をつけるサザンカは庭木としては人気は高い。が、それをツバキだと思っている人も多い。兵庫県の真ん中くらいにある今田町では樹齢200年を超える大きなサザンカが咲く。樹高は5メートルほど、枝張りは8-9メートルの大木だ。撮影は1998年12月 場所 兵庫県多紀郡今田町今田新田西方寺 お問い合わせ先西方寺 0795・97・2788 ※初掲載1998年12月 、データは当時のものです |
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