それって
いけないことだよ
人のものを
勝手に使うのは

イラスト/Cody

 著作権法では「著作物を思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術または音楽の範囲にぞくするもの」と定義しています。そして著作者、それを作った人の権利は2種類あります。著作者人格権は著作物を公表する権利、および著作物の内容を勝手に変更したり削除したりさせない権利です。もうひとつ著作権は、著作物を出版したり映画化したり放送したしたり、インターネットのホームページでの公表も含まれます、そうした著作物を利用して得ることの出来る財産権利です。私のような個人でこのようなホームページを制作しているものでも著作権に関しては十分注意しているのですから、モラルとして守っていただきたいと思います。

 ただ著作権法は著作権者の利益を配慮しつつも自己使用などの一定の場合においてのみ著作物を自由に使用することが出来るようにしています。例えばラジオの番組を録音して個人の趣味で楽しむ場合や図書館における複製や引用などです。

 リンクに関しても、先方の承諾がいるのはあたり前ですし、メールを送ることなどこのインターネットの世の中では簡単なことなのですから、コミュニケーションが必要です。ですから他人の作ったホームページから写 真を勝手に利用したり、またそれを加工したり出来ないのです。またそのホームページの企画アイディアをまったくまねしたり出来ないのです。利用したい場合は著作権者の承諾が必要です。自分の制作したものをコピーされた場合、著作権者はこれを侵害するものにたいして、侵害行為の差し止め、名誉回復措置の請求、損害賠償、不当利益の返還を請求できます。私たちのサイトにある写 真を無断で加工使用している方も居られることは 非常に残念です。KOBEMAP.comは1996年から製作しておりますから、当初電話線での接続も考慮に入れ写 真を相当データを軽くして美しく見せるこころみをしてきました。

  ただいくら個人の趣味のホームページと言っても例えばディズニーのミッキーマウスのキャラクターを使用したり、ロゴと呼ばれる商標をそのまま使用したりホームページのタイトルにしたり、雑誌や他のホームページからの写 真を承諾もえずに掲載すると違法になります。これは個人で楽しむホームページとは言ってもサーバーに置いて世界各国からいつでも見られる状態なので、問題があります。「いや自分が楽しむだけなのに」では済まされないのです。著作権は日本国内だけでなく世界法としてありますから、他の国のキャラクターでも問題が起こります。ですから自分の書いた文章で、自分の描いたイラストやアイコンで、自分の撮った写 真でホームページを制作すれば問題は起こらないのです。他人のふんどしで相撲をとろうとするから問題が起こります

  また私が企業や役所のホームページを見ていて問題だと思うものに、パンフレットの写 真やコピーをそのまま使ったホームページや、パンフレットそのものを使っているホームページがあります。しかしパンフレットを制作する際は普通 それ以外の使用を禁じる契約をそのパンフレット制作会社としているはずですから、これは明らかに故意に著作権を侵害していると思われます。写 真やイラストなどはそれを制作した個人にあるわけですから、その製作者に無断でホームページで写 真を勝手に使用されている、イラストが勝手に動画処理され企業のホームページに使われているなどの問題は数多く聞きます。私の写 真も知らないところで使われてます。これなどは製作者がその企業なりに異議申し立てして、争えば損害賠償金なりを企業が支払わなくてはならなケースです。

  人の制作した作品がキレイから自分のホームページでも使おう、そんな気軽な考えから大変なことにならないためにも、これからはすこしはこの著作権について知っておいて欲しいと思います。自分が写 っている写真でもその写真の著作権は、それを撮った人にあるのです。この点も間違いを起こしやすい点ですから要注意です。自分が写 っているのだからこの写真をホームページで公表してもいい、では済まされない問題もあるのです。今言った、それを撮った人の権利。またあなたの隣で大口あけて寝ているネボスケちゃんは、その写 真はお嫁に行けなくなるから公表するの止めてくれと言うかもしれません。そんなことが起こる前に事前にその写 真にかかわった人に「こんな目的でこの写真使うのだけれどいい?」と言った承諾が必要です。

  でも私の庭にはロダンの考える人が座っている、でもどう考えてもロダンが作ったものではないのだけれど、それに私の母校の大学にも確か考える人が座ってた、これも著作権違反なの・・なんて人がいるかも知れません。著作権の保護期間というものがあって、著作権者の死後50年までです。ですからロダンの考える人のレプリカ複製が存在するのです。ただ、このロダンの考える人を撮影した写 真などの場合は、こんどはその写真家に著作権が成立するので注意が必要です。著作権の存続期間は原則著作者の死後50年間です。無名の著作物や団体名義の著作物は公表後50年間とされています。

  コンピュータの世界にはこころある人たちが自分のつくったソフトをたくさんの方に便利に使用して欲しいと無償提供されていて、その恩恵を私たちは受けています。しかし本来なら、その便利さを作ってくださった人にお礼なりするのが正しい人間関係のあり方だと私は思います。たとえばメールで感謝の手紙を送るとか。人が人のために何かをする、その行為にお金が支払われたりする場合もあるわけですが、たとえお金を払っていても「ありがとう」の感謝の気持ちから人間関係は良くなっていくわけだし。なにも言わずに他人のモノを勝手に使うことは盗っ人と同じということを感じられない人は幼児期からの学習のし直しでしょう。

  でも企業のホームページ担当者やコンピュータ会社、広告会社の中にも、そうした人たちは広報や宣伝のプロとしてお金をそれで稼いでいるにもかかわらず、プロ意識にも欠けている行為をしている人がいることが大きな問題だと思います。そうしたことを個人のホームページを制作する人も真似をするんだと思うのです。子どもが大人の真似をする、いじめ問題なんて、大人の世界じゃ当り前にあるから、それを観た子どもだっていじめをしますよ。

 

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1997年
©Mac Fukuda